安易な質問は情けない

今日は110番の日(2017.1.10)

 今日は110番の日なんだそうです。そんな日を設定して何かいいことがあるのかなと、という気もするのですが、ニュースでは緊急性を要しない通報が増えていると言っていました。

 110番を萬(よろず)相談所のような存在と考え、おいしい店の場所を聞いたりする人がいるということです。自分で調べるという努力を最初から放棄して、人に聞いた方が早いと考える人が多いということですが、それにしても聞く相手が110番では警察も大変です。

 私はハワイ旅行が好きでこれまでに20回以上行っていると思います。現地では、以前はレンタカーを使っていたのですが、最近はのんびり旅行を楽しむようになり、公共輸送機関のバスを利用することが多くなりました。

 このバスを利用していると、いろいろな人が乗ってくるのですが、当然ハワイ在住の人は乗り方を心得ています。日本人は事前に行先までの下調べをきちんとして、乗り間違いはほとんどしません。

 料金もきちんとお釣りがないように用意している人が多く、まあ早い話が誰にも迷惑をかけないように努力している様子がよく分かります。

 ところがメインランドからやってくる欧米人の観光客は、バスの料金も知らず、行き先の番号も確認せず乗り込んだりしてきます。そういった人たちは、乗り込んでから運転手さんに「料金は」「行き先は」と質問をして、このバスではないと指摘されると、では何番のバスにどこから乗ればいいのかということを延々と話す人がいます。

 周りの人はそういった光景に慣れているのか、不愉快に思ったとしても態度に表す人はあまりいません。しかし不思議だなといつも思うのですが、料金はバス停にも車体にも表示されています。

 またバス前面の一番上には行き先が表示されているわけですが、それを見ないで?乗り込んでから運転手さんに行先を確かめている人がいます。

 要するに表示されている内容を読んで自分で理解するより、すぐ近くにいる人に聞いた方が早いと思っている人が多いということです。

 そういった「自分で調べるよりすぐ近くの誰かに聞いた方が手っ取り早い」と考える人は日本でも徐々に増えているようで、それが110番への質問という形になっているのかもしれません。

 以前は「そんな簡単なことを聞いたら聞かれた方は迷惑だし笑われる」という意識があったようですが、今はそういう意識も希薄になっているのかもしれません。

 ちなみに我が家の息子はコンビニでアルバイトをしていますが、売っている商品についてだけでなく、多種多様な質問を日常的にされるそうで、コンビニ店員はよろず相談員だと言っていました。

 「そんなことは自分で調べてくれ」と喉まで出かかることが多いそうですが、ある意味社会勉強になると苦笑いです。「そんなことも知らないんだ」と、認識を新たにすることも多いようです。

 しかし聞けば何とかなるという発想は便利ですが、簡単にだまされるという裏返しであるような気もします。疑ってかかるというのも寂しい感じですが、その前にスマホや書籍を使って自分で調べるという段階が必要な気がします。

 特に110番では、本来の緊急性のある通話が阻害される可能性もあり、119番の使い方と共に誰もが気を付けないといけないことだと思います。


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