年代別貯蓄平均額の実態

平成19年度の年代別貯蓄平均額(2012.3.7)

 退職時の貯蓄額の目標は2000万円という話の続きです。目標は2000万として、現実の貯蓄額の平均はどのくらいなのか、総務省の統計で見てみました。

 平成19年のデータのようですが、棒グラフなので具体的な数字はよく分かりません。それをあえてこのぐらいかなと数字で読んでみると以下の通りです。

男性 女性
30歳未満 164 144
30歳代 500 450
40歳代 750 850
50歳代 1500 1300
60歳代 1992 1586
70歳以上 2000 1400


 これを見て分かるのは男女とも50歳になると貯蓄額が急増することです。30歳代40歳代はどうしても子育てや教育費、さらに住宅ローン等の問題があり、なかなか貯蓄に回らないと言うことだと思います。

 50代になると子育ても一段落し、子供達は次々と成人となり、自分たちで給料をもらうことが出来るようになり、家計が楽になるわけです。

 一方、60歳以降の貯蓄額がそれほど変化しないということは、基本的に年金だけでなんとか生活できていると言うことのようにも思います。

 と言うことは、この表に出ているような額をそれぞれの年代で貯蓄できていれば、老後はなんとか安泰ということが予想できます。

 しかし、残念ながら昨日も書いたように、この調査が行われた時は、60〜65歳も年金が出ていますから、やはりここでもこの5年間がネックになりそうです。

 昨日書いたことを踏襲すると、この5年間、何もしなければ1500万ぐらい無くなってしまう可能性がありますから、残りは500万。500万の貯蓄で65歳以上になって、暮らしていけるかというのは大きな問題です。

 また私が考えている1500万という額には、住宅ローンは完済という条件が入っていますから、もし60歳以降も住宅ローンを払い続ける必要がある場合は、60歳の時に2000万の貯蓄があっても、先々はかなり苦しい家計になるのではないでしょうか。

 さらにその後に車の買い換えや家のリフォーム、様々な冠婚葬祭、場合によってはお墓を作る、さらに子供への援助、なんてことが重なったらこれだけで数百万単位になることは確実です。

 政府は簡単に支給年齢を法律で繰り上げましたが、これからこの制度に入っていく、私より若い世代の方達は、若いときから将来を見通した戦略が必要になると思います。(しかし夢も希望もない、世知辛い世の中だなあ、と書いていて感じます)


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