支出のどこを見直せばよいのか

収入と支出の差額が貯蓄(2012.7.25)

 前ページからの続きです。結局家計のやりくりは収入と支出のバランスでしかないわけで、当たり前ですがその差額が貯蓄または赤字になるわけです。

 従って貯蓄を殖やしたいと思ったら、収入を増やすか支出を減らすかの二者択一しかありません。

 といっても各種のマネー雑誌では、そこに「投資」という語句を絡めて、まことしやかに美辞麗句を並べ投資意欲をかき立てるような記事を毎月掲載しています。

 何十年もそういった記事を見続けていればだいたい分かるのですが、1989年頃のバブル崩壊以来、今が買い時と書き続けてすでに20数年が経過しています。

 この間多少の上げ下げはありましたから、私自身も美辞麗句に踊らされて「投資だ投資だ」と叫んでボーナスをつぎ込んだこともありますが、ほぼ例外なく下落、損切りを強いられています。

 もちろん中にはプロ顔負けの人もいると思うのですが、長期的な下落相場の中では、儲かる人と損する人の割合は明らかに損する人の分布が多くなるはずです。(そうでないとプロが利益を出せません)

 私の頭の中には、数学の山なりになった正規分布の図が浮かんでいるのですが、当然右端には大もうけした少数の人がいて、左端には大損して息も絶え絶えの少数の人がいるはずです。

 現状の相場では、大多数の人は真ん中辺のちょっと損する層に属するはずですから、基本的には投資より貯蓄の方が確率的に勝っていると私は思っています。

 というわけで最初の収入を増やすか節約するかの選択に戻るわけですが、最近は50歳を越えるぐらいから大企業や公務員といえども給料のアップは望めない時世になっていますから、中小の方達は本当に大変だと思います。

 実は私には妹がいて、結婚もせずに実家の母親と同居しながら働いています。職場は絵に描いたような中小企業のようで、景気に振り回され、その度に人員が増えたり減ったりしているようです。

 幸いに正社員で働いていますから、働いている間の生活費は確保できていますが、60歳を越して、65歳になったとき、一体今の給料でいくらぐらい年金が出るのかと思うと、さすがに心配になります。

 実家は築30年の家でローンはなし(父親の遺産で購入)なのが幸いしていますが、そうなると私同様最低限の生活費は10〜10数万必要かと思いますが、年金でそれだけ確保できるのか、よく分かりません。

 一方給料そのものが少ないですから、貯金もなかなかできません。まあ結婚せずに子供もいないし母親との同居ですから、暮らしがきびしいということはありません。

 しかしもしあの就労状態で結婚して子供がいたら、もちろん旦那の給料にもよるでしょうけど、同じ会社の男性社員を見ていて大変なのがよく分かると言っていましたから、切実な問題を皆さん抱えているのだと思います。

 ではどうしたらよいのか?収入は増えない。生活はギリギリだから貯蓄も出来ない。支出は子供がいれば大きくなればなるほど増えていく。これは明らかに普通に考えれば生活破綻です。出来るのは節約のみ。

 マネー雑誌にも投資以外の記事でときたま無駄を見直すということで保険等の記事が出ています。私は保険をかけ始めた当初から、常に毎年更新の掛け捨てを利用してきましたから、月々の保険料は家族3人で一ヶ月1万円ぐらいでした。

 同じ頃同僚の多くは一ヶ月5〜10万円の至れり尽くせりの保険に入っている人が多いように見えました。

 もちろん最終的にそれが積立金と同じようにある程度戻ってくる保険だと思うのですが、個人的には保険は保険。貯蓄は貯蓄と分離して考えた方が有利になるのではと思っていました。

 結果的にどうなのか結論は出ませんが、我が家の保険は妻が長期入院した際に、それまでの掛け金以上の保険金が支払われたように思います。その意味では保険の考え方は間違っていなかったと思っています。


表紙に戻る 生活設計 早期退職を考える時期