少しでも早い時期から積立が必要

豊かな老後と悲惨な老後、その差はいつ頃から生じるのか(2015.10.17)

 豊かな老後を送ることが出来る人、すなわち健康な生活を送る体力があり、精神的な問題を抱えることも無く、そこそこの資産があり、老後にやりたいことがあり、それを行なう様々な余裕がある人がいます。

 一方不慮の事故や思っても見ない病気怪我を除いて、自分の不注意が元で体調不良になってしまったり、いつのまにか預貯金がなくなっていた、若しくは最初から無かった、さらに退職後特にやりたいことも無く、毎日鬱々と暮らすしかないという、いわゆる悲惨な老後を迎える人の間には大きなギャップがあります。

 この両者の差はいったいいつ頃生じているのか?さらに何が原因なのか?これが分かれば、これから老後を迎える人の指針にもなるのかなという気がしてきました。

 しかし私には何となく分かることはあっても、うまく言葉になりませんので、ネットでとりあえず分かりやすい例として「老後の資産 どこで差が突いたのか」という検索語句で調べてみました。

 すると検索順位第一番目に「金持ち老後VSビンボー老後」の分かれ目」というページが出ていましたので、今それを読みながらこれを書いています。

 内容は2013年の楽天リサーチ調査が元になっているようです。それによれば、リタイヤ時に3000万以上の貯蓄があった人は全体の29%。1000万から3000万未満の人が29..7%、1000万以下が41.3%だそうです。

 このページでは、3000万未満をお金に不安を抱えた層と考えているようですが、私に言わせれば2000万程度あれば何とかなりそうという気もするので、やはり1000万以下の人たちの問題を考えてみたいなという印象があります。

 で次に触れているのが預貯金の推移ですが、要するに預貯金3000万以上の老後が安泰な層と預貯金が1000万以下の不安層を比較すると、そもそも30歳時点で差がついていて、安泰層は1000万以上、不安層は100万以下しかないそうです。

 ところが30歳までの年収を比較すると、この両者にあまり差がなく400万前後と言うことですから、安泰層はすでにこの時点で倹約生活を送っているか、身の程にあった生活をしていることになります。

 ただ残念なことに、この先に大きな分岐点があります。すなわち40代から安泰層は年収が伸びていくのに対して、不安層はそこから伸びないという実態があるようです。当然子育て時代に入りますから、預貯金はその後もまったく増えないということになります。

 ということは35歳ぐらいまでに基本的な預貯金の差があり、40歳以降にその差がぐんぐん拡がると言うことになりそうです。逆に言えば35歳までに仕事に必要な知識を身につけ、真面目に努力してがんばった人が徐々に報われていくのが40歳以降ということになりそうです。

 またさらに過酷なデータも示されています。それは貯蓄額の差は学歴に依存すると言うことです。当然大卒の方が多くなりますので、学歴社会は歴然と存在することになります。

 さらにさらに、退職までの転職回数も貯蓄額と関係あるようで、当然ながら転職回数が多いほど貯金額は少なくなる傾向だそうです。

 ちょっと話は変わりますが、実は今フルート演奏に再チャレンジしてフルート教室に通い始めています。そこの先生が言っていたことですが、到底吹けない様な早い旋律があったら、プロでも最初は信じられないぐらい遅いテンポから練習するそうです。

 つまり最初が肝心。なるべく早い時期から少しずつ積み立て等で資産を作っていく感覚と言うことを親が教えておかないといけないと言うことです。さらに言えば、よほどのことが無い限り、一度選んだ仕事は投げ出さないということでしょうか。

 というわけで、このページを総括すると、差が出るのは35歳前後からというのが私の結論です。


表紙に戻る 生活設計2 10月の家計支出