老人の生活保護と将来設計の重要性

 2011年11月の毎日新聞に、新宿のアパート火災の記事が出ていました。普通なら気にも止めない記事ですが、住人の大半が生活保護を受けている老人世帯であったと書かれていたことにびっくり。なんともやるせない思いを抱いています。

 記事によれば火災が発生したのは築50年の木造2階建てアパートで、住人23人中の18人が生活保護世帯だそうです。部屋は4畳半でトイレは共同。家賃が5万円。

 私も今から35年ぐらい前の学生時代に西武線沿線の駅から5分ぐらいの所で同じようなアパートを借りていたことがありますので雰囲気はよく分かります。

 四角い4.5畳の部屋の片隅に半畳ぐらいのキッチンが付いていて、当時の家賃が2.5万円。トイレは共同、風呂は銭湯でした。

 まあ貧乏学生だったので我慢していましたが、60歳を過ぎてからこうゆう場所で暮らさなくてはならないとしたら辛いと思います。

 この方達が得ていた生活保護費による収入は家賃分5万円と生活費7万円だそうです。この中から電気ガス水道通信費等の料金を支払うと残額はせいぜい4〜5万円ぐらいでしょうか。

 一人暮らしならなんとか生きていけると思いますが、娯楽についてはテレビぐらいでしょうか。生きてはいけますが、生活を楽しむゆとりはまったくないと思います。

 それは若いときからの積み重ねで自業自得であると言ってしまえばそれまでですが、長い人生の中で病気や怪我はつきもので、それを機に生活破綻というのは誰にも起こりえるような気もします。

 その意味では、働き盛りの30代、40代の身の丈にあった生活が如何に大事であるかという事だと思います。

 私自身もこの時期様々な激務でいろいろな持病に苦しみましたが、幸いに入院というような事態にもならず、なんとか早期退職までこぎ着けました。

 現在の不況では、若い人でも働く場所がない、ということですので、今は最悪両親の年金を息子、娘が消費して食いつなぐと言うことも出来るでしょうけど、その両親すらいなくなった時どうなるのか?

 その上、今後はさらに老人が増えますから、生活保護費も増大するはずです。ということは、幸運にも職を得てきちんと働いている世代への税金等の負担が増えると言うことを意味します。

 私は40代から財形貯蓄を初めましたが、今になってみると正しい判断だったなということがよく分かります。

 利息に対する無税の範囲は550万円だったでしょうか。早期退職したのでそこまでは貯蓄できませんでしたが、60歳からはこの財形からの私的年金を得ることが出来ます。

 これからの世代は常に20年、30年先のリスクを含めた見通しを持って生活していかないといけないなと思えます。その際の根幹になるのは自身の健康維持です。
   
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