いくらあれば満足できるのか

身の丈にあった生活費(2012.5.17)

 「立って半畳、寝て一畳」という諺があります。起きて半畳、という言い方もあるようですし、寝て一畳の後に「天下獲っても二合半」「天下獲っても4畳半」とつなげる場合もあるようです。

 いずれにしても、人間一人が生活する領域はそのぐらいの広さがあれば充分ということを表しているように思います。

 最近は1軒屋の中をカーテンやドアで区切って、アパートのように使うという賃貸住宅もあるようですが、何だかそれに近い広さです。

 まあ「贅沢を言えばきりがない」と思うわけで、そのように認識している人は、「今あるお金を効率よく使おう」と考えて、お金の管理もしっかりしているように思います。反対にどこまでいっても満足できなければ、お金はいくらあっても足りません。

 例えば1億円ぐらいかけて200m2ぐらいの大邸宅を建設できたとしても、自分が居住する空間はその内限られた場所になり、結局8畳ぐらいのリビングと4畳半ぐらいの寝室の間を往復すればいいということになりそうです。

 それでも家以外に資産が1億あれば、持っているだけで安心だ、と言う人もいるでしょうし、子供のために残した方がよい、と考える人もいるかもしれません。

 それはそれで立派な考えだとは思いますが、なんでもかんでも子供のためにと考えてお金を残すのも考え物だなという気がします。

 一方退職後は自分の生活のためにお金を使おうと考えたら、いったい老後の費用はいくらぐらい必要なのかということをきちんと把握しておかないといけない気がします。

 私自身は、実際に簡単な家計簿をつけてみて、一人で身の丈に合った生活を始めたら、月々10万あれば暮らしていけそうなことがわかっています。 

 と言うことは年間の必要額は税金や保険料も考慮して、大まかな概算で150万ぐらい。これで60歳から80歳までの20年間を過ごしたとすると必要額は3000万。

 大きな額に思えますが、この間もらえる年金(最近もらいすぎという批判のある、不評の共済年金ですが)の総額は、老齢年金も含めると4000万ぐらいになりそうです。

 実際には家のリフォームやもう1回ぐらい買い換えるであろう車の購入費、そして大好きなハワイ旅行に今後も行くでしょうから、そういったことも含めると、必要額と年金額はほぼトントンぐらいでしょうか。

 と言うことは現在の生活費というのが、将来を見通した上での身の丈に合った額と言うことになりそうです。

 今現在私は自分自身の生活形態に満足していますが、今後もこの状態を続けていけば大丈夫、という確信みたいな物を持つことが出来ている、ということです。

 もちろんハワイだけでなくヨーロッパやオーストラリアにも行こう、さらに車は新車で買い換え、出来れば家も買い換えようなんて思えば、資金はいくらあっても足りないと思います。

 現状で何が充足されて、何が不満で、自分は何をしたいのかと言うことを、身の丈にあった観点から考える事が大事だと言うことです。
  
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