ネット社会の中の高齢者

地域の老人会の存続とその意義(2013.6.17)

 今日の新聞の読者投稿欄に、老人会への行事参加者が減っているという投稿が出ていました。

 ネット社会が進行するにつれ、個人で行動する人が多くなり参加者が減っているのかなと思って読んでみたのですが、どうやらこの方が指摘しているのは、健康状態の悪化による不参加者が多いと言うことでした。

 裏を返すと、新たに老人の年齢に達した方の参入が減っているということであり、上記の私の考えもあながちまちがっていはいなのではないかと思われます。

 正直なところ現在の私の年齢である60歳近辺から、人とネットとの関わりがひじょうに強くなり、生活スタイルが変わってきているように思います。

 私は教員という職業だったので、この35年間ぐらいの間にコンピューターがどんどん教育の中に入り込んでくるのを目の当たりに見てきました。

 教員になって数年後、カセットの記憶媒体を使った、今では100円ショップで売られている電卓よりも動作速度が遅いコンピューターが普及し始め、それがあっと言う間に5インチのフロッピー、3.5インチのフロッピーとなり、やがてハードディスクが出回るようになりました。

 そのころからインターネットの普及が飛躍的に発展し、それと共に様々なソフトが開発されました。

 たまたま理系だったこともあり、割と容易に私はこういった世界に踏み込むことが出来ましたが、同じ世代でもまったくこういった機械を受け付けない方は多数いて、ちょうどネット世代の境目だなという気がしています。

 しかし今は私の感覚もすでに古くなり、息子の世代では同じネットでもスマホやタブレット端末に変わり、コミュニケーションの方法もさらに進化しているような気がします。

 簡単に分けると、私より上の世代は、顔と顔をつきあわせて、言葉と表情、動作によってコミュニケーションをとっていましたが、私の世代ではこういったブログもそうですが、上記のコミュニケーションと共に、電子的な文字でのコミュニケーションが発展したように思います。

 つまり不特定多数がわざわざ集まってコミュニケーションを得る必要性が薄れつつあると言うことです。

 息子の世代では、さらにこれが絵文字と言った簡略化した文字や、画像、映像、音等、様々な手段でのコミュニケーションが成立し始め、場合によっては自分の部屋から一歩も出ることなく生活が出来てしまう環境が整いつつあるように思います。

 そんな中での老人会という存在。今後どうなるのか?私自身が60から65、70歳となったとき、果たしてこういった地域の老人会に出席するだろうかと考えると、必要性は感じるものの、積極的にかかわる必要もないなと現時点では思えてしまいます。

 そういった考え方が増えれば、老人会が衰退するのは当たり前だと思われます。ということは、それに変わる何か新しいコミュニケーションツールを構築しないと、今後ますます高齢者は孤立化するということになりそうです。
   
表紙に戻る 老後 高齢者の楽しみは何?