他人の気持ちは
同じ体験をしないと分からない?

同じ経験や体験から共感が生まれます(2013.12.15)

 今私が加齢に伴う現象として感じている様々なことは、たぶん同年代の他の人も感じているんだろうなあと思っています。

 私は大学生の息子と一緒に生活していますが、かつての私がそうだったように、痩せているくせに妙に大食いです。「胃下垂だろう」と笑っていますが、それだけ胃の筋肉が柔軟なんだろうとも思えます。

 つまり「食べ過ぎ」で胃が重くなるとか、胸焼けするとか、胃が痛くなるという症状からは無縁な訳で、考えてみれば確かに私自身、喘息やアトピーで苦しんできたものの、若いときに胃腸の不快な症状で悩まされたのは飲み過ぎたときぐらいだなと思えます。

 しかし、50代になった頃から、徐々に肉を食べる量が自然に減り、魚や野菜の方に嗜好そのものが変化してきました。さらに55歳以降は、食べる量を減らさないと、次の食事まで胃がもたれたり、胃が重くなったりという経験が日常的に生じるようになり、自然に食事量が減っています。

 白髪が目立ち始めたのはやはり50歳になってから。しかしこれはストレスの影響もありそうです。なぜなら50歳から57歳まで、少しずつ白髪が増えていきましたが、早期退職後はほとんど増えなくなったばかりか、減ったようにすら思えるからです。

 ただし髪の毛そのものはどんどん細くなり、洗面所に落ちている息子と私の髪の毛は、太さが違うので一目で区別できます。悲しいほど細くなったなあ、というのが実感。

 その上、髪の毛そのものも少なくなっているようで、前の方が地肌が透けて見えます。数年前からハワイに行って頭頂が日焼けをするようになったので、よく分かりました。

 いっそのこと、囲碁界の竹宮さんのように全部剃っちゃおうかとも思うのですが、いずれそうなるのだったら焦ることもないか、とも思えます。

 老眼を意識したのは、50代後半。中近両用眼鏡をかけていますが、加齢と共に手元は徐々に見えにくくなるようです。私が高校生のころ、眼鏡を額の上に押し上げて教科書を読んでいる先生が多数いましたが、なるほどこんなに見えないものなんだ、と体験して初めて分かりました。

 特に理系なので、細かい数字10の何乗と書いてある右上の小さな数字がよく見えません。これまでの経験で数字はだいたい覚えているので、なんとか事なきを得ていますが、電子の質量は何とかの何乗だからと言いながら、教科書を見るとその数字が見えないので焦ったりします。

 他にも、人によって、太る、腹が出る、しわが増える、シミが増える、肌がカサカサ、さらには高血圧、腰痛、肩こり等々上げればキリがありません。

 ところがこういった症状で不快を感じている場合、その事をいくら若い人に言っても、若い人は理解はできても実感できないので、反応はどうしてもおざなりになってしまいます。

 結局人間というのは似たような事を実際に体験した、またはしつつある人が一番共感できるんだということに遅まきながら気がついています。
   
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