高齢者の気持ちを逆手に取る悪徳商法

迷惑電話と高齢者の気持ち(2014.9.24)

 非常勤講師の仕事がないときは家でこういうブログを書いたり、旅行に行ったときの旅行記をまとめたりしていますが、よし順調に書きあがっているぞ、と思っているときに限って突然電話がかかってきたりします。

 集中力が切れたり、それまでの文脈が途切れたりするので困るのですが、まあ用事があるならしょうがないだろうと電話が置いてある場所まで行きます。しかし、実際に受話器を取り上げるのは10回に1回ぐらいです。

 早期退職直後は割りと真面目に対応していましたが、あまりに迷惑電話が多いことに気がつき、ナンバーディスプレイでナンバーを確認してから出るようにしました。

 結果的に分かったことは、トクメイ、ヒツウチ、0120等からの電話の9割以上はまったく利用価値のない迷惑電話だということです。

 また私の親戚がいるわけでもない遠方からの市外電話もたまにあり、これらすべてを私は電話には出ずにナンバーディスプレイのナンバーを控えるようにしています。

 万が一重要な電話だった場合折り返しの電話をしようと思っているのですが、だいたい留守碌のメッセージが流れる頃になると切れてしまいます。

 そこで次に控えた電話番号をネットの検索窓に直接入力して、誰が掛けてきたのかを再確認しているのですが、多いのが「該当業者名不明」というものです。

 それでも中にはレビューが出ている場合もあり、その場合の多くは「保険」「投資」「光通信」「リフォーム」「化粧品」等々、必要なら自分で調べて契約するような内容ばっかりです。

 もしかすると「振り込め詐欺」あたりの電話も来ているのかなという気もしますが未確認です。

 しかしとりあえずナンバーディスプレイの効果は確かめられたので、実家の電話も同様の設定にして、知らない電話番号には出ないで留守録にするようにと母親に伝えてあります。

 以前母親の元には、「クレジットカードが無断で使われた形跡があるので現在詳細を調べている」と県外の警察の名前を出して電話がかかってきたことがあります。

 「クレジットカードを調査しているので提出して欲しい」というような事だったと記憶していますが、実は母親はそういったカードの類は一切利用しておらず、すぐにウソがばれてしまい難を逃れたという経緯もあります。

 というわけで、この電話を媒体にした一方的な売り込みと振り込め詐欺については本当に不愉快な思いをしているのですが、一方で振り込む、または現金を手渡す高齢者の方も跡を絶たないようで、「どうしてそんな大金を短時間で用意できるんだ?」と不思議にも思えます。

 逆に言えば、それだけお金を持っている高齢者がいるという証拠にもなりそうです。

 ちなみに今日の新聞には年金や医療といった社会保障の負担が増えたとき、その負担は高齢者自身が負うべきだと考えている人が徐々に増えているという記事が出ていました。

 振り込め詐欺の問題もそうですが、今の70代以上の人は、少しでも子どもたちのために役立つならとか、子どもたちに負担はかけたくない、我が身の生活が多少苦しくなっても他人に迷惑をかけたくない、という気持ちが強いのかもしれません。

 だとすれば、お金を持っているわけではなく、老後のお金をかき集めて振り込め詐欺に渡している場合も考えられます。いずれにしても、電話には迂闊に出ないというのが最大の防衛策のように思えます。
   
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