高額療養費の制度拡充と
医療保険の必要性

 前ページで高額療養費の概要を説明しましたが、2011年の11月になって政府は高額療養費の拡充に関する新しい制度を検討しているようです。

 新聞に寄れば、当初は中堅所得者層の負担を軽減する方向でしたが、財源の問題から対象を年収200〜300万にする方向になるようです。 まさに私の事だ、と思いましたが、要するに年金世代にあてはまりそうです。

 前ページにも書いたように、この制度は年収が200〜790万円の世帯の保険が適用できる医療費の上限は約8万円以下となる制度です

 しかしこのようなセーフティネットがあっても、我が家のような年収200万の(月額15万ぐらい?)前後の人が長期療養したとき、なんら民間の医療保険に入っていなかった場合、一ヶ月に8万ずつ払うのでは家計は破綻します。

 そこで年収200〜300万の人には上限を4万円台にしよう(当初は年収600万円ぐらいまでが対象でしたが)というものです。それでも実際に働き手が病気になれば大変なことになりますが、家計への負担はかなり少なくなると思います。

 なお年収200万以下の場合(現在の我が家)は月額上限は35000円というのが現行制度です。

 しかし実際問題医療保険に入るとして、現状の医療費はいくらぐらいかかるのかということですが、我が家の連れの場合は、多いときで一ヶ月50万とかの治療が行われていました。

 これをそのまま毎月のように払えと言われたら、今頃は家を売って路頭に迷っていると思いますが、高額療養費制度で救われました。

 なお、では保険の効かない最先端医療とはどのようなものか、と言うことですが、我が家の場合は「リツキサン」という分子標的薬を使ったのですが、これが1回約10万ぐらいだったと思います。

 この薬剤は、我が家の連れの入院とほぼ同時期に保険が適用となったため、その薬剤そのものの値段は気にする必要はなかったのですが、当然それ以前にこの薬で治療を行うことを了承した患者さんまたはその家族は、保険診療が効きませんから、そのままの値段を支払うことになります。

 つまり月1回この薬剤を使用すれば、通常の高額療養費+10万円ぐらいが請求されると言うことです。それで助かればまだしも、結局うまくいかなかったと言うことにでもなったら、それこそ目も当てられません。

 もちろん今後自分がそういった立場になったとき、「最先端医療までは必要ない」、と拒否することも出来るわけですが、それを適用すれば生存期間が長くなると言われれば悩むと思います。

 そのための民間の医療保険と考えれば、家計を維持している人の場合、やはり入院1日につき最低1万円ぐらいの保障が付いている医療保険がよいのかもしれません。
   
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