早期発見は気くばりから

忙しさ克服は連係プレーで(2012.9.22)

 昨日の記事を簡単に要約すると、要するに朝の10分間で担任が生徒の動向を把握するのは、現状ではひじょうに難しいということを言いたいだけです。

 それでも出席をとったり、連絡をしながら、さらにプリントを配りながら、さりげなく生徒の動きを観察することは出来ます。

 また連絡終わって、教室内が一瞬開放的になった瞬間、生徒は自由に動きますので、この時いじめやからかいの兆候を見つけることが出来ます。 (この時間は1分ぐらい。教壇に立っているだけでも分かります)

 特に授業担当の先生から、「最近○○君の様子が変だ。妙に落ち込んでいるようだ」というような連絡を受けている場合は、他の生徒からの質問を受けながら、目はさりげなくその生徒の動きを追っていたりします。

 場合によっては実際に近づいていって、「最近元気がないように見えるけどどう?」というような声がけをすることもあります。

 しかし声がけをする、と言う行為を、当然他の生徒も見ている可能性があり、場合によってはそれがまた教員に目をかけられたということで、からかいやいじめの対象になることがありますから、声がけもなかなか気を使います。

 朝の連絡を何とか時間内に終えた教員は足早に職員室や準備室に戻り1時間目の授業の準備をします。1時間目がない場合は会議が入っていたりするので、その資料の準備等をすることもあります。

 また保護者から連絡のなかった無断の欠席や遅刻については、直接家庭に連絡します。(最近は登下校時における事故が取りざたされているので、迅速な対応が必要です)

 ただ家に電話をしても誰も出ないと言うことも多いです。昨今の経済情勢を反映して、両親が共稼ぎで、生徒よりも早く出勤するなんて言う場合もあり、この時生徒は自力で起きて、自分で朝食を食べ学校に来ると言うことを強いられますので、どうしても遅刻が多くなります。

 連絡が付かないときは、それが常習犯なら「またか」と思いますが、そうでない場合は心配なこともあるので、授業の合間の休み時間に教室まで行き、仲の良い子達に該当生徒の動向を聞くこともあります。

 最近は携帯電話を禁止している学校も多いのですが、こうゆうとき便利なことも確かです。しばらく待っていると生徒から「○○ちゃんは、遅刻して今駅まで来たって」という報告が入ることもあります。ここまで出来れば一安心です。

 しかしこれも生徒同士の人間関係が出来ているから分かるのであって、孤立しているような生徒やからかいやいじめの対象になっている生徒の場合は、どの生徒に聞いても「知らな〜い」という声が帰ってくるだけだったりします。

 ただしそういった「知らな〜い」という言い方から、さりげなく「からかい」や「いじめ」の存在を察知できることも確かです。

 というわけで、教員の朝、特に始業時から10時ぐらいまでの動きは、本当に忙しいです。一方上に書いた例はやる気全開の先生の動きであって、頑張りすぎて日頃の教育活動に疲れ切ってしまった先生がいることも事実です。

 そんな忙しい状況のなかで、一番効果的なのは、教員集団としてのまとまりと連絡体制だと私は思っています。ところが近年、そういったまとまりや連絡体制が作りにくい状況が増えています。

   
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