いろいろな方法があると思います

「この道しかない」というフレーズへの違和感(2014.12.4)

 ニュースは選挙関係のものが多くなっています。安倍総理は「この道しかない」と力説していますが、自分は懐疑派だと思っている私は、「これしかない」という論調には胡散臭さを感じてしまいます。

 かつて私が勤務していた学校に、ある日それまでの温和でありながら、自身の責任を明確に主張し、学校運営を行っていた管理職が他校へ異動になり、代わりに来た人が、普通なら新しい学校の個性を考えながら自分の意見を言うのに、着任時の挨拶から、それまで積み上げてきた経緯を無視して、「今後はこの方針しかない。こうやれば学校は活性化する」と持論をぶち上げました。

 その後職員会議をやるたびに、議論が紛糾。業を煮やしたのかどうか分かりませんが、「職員会議は管理職が伝達事項を伝える場だ」と言い出す始末。(つまり異論を挟むな、質問もダメという論調です)

 力があるといえばそういえなくもない学校運営ですが、先生方はその激しい論調に、「まあしょうがないか」若しくは「寄らば大樹・・・」と考える層、そして「そんな学校運営ではこれまでの流れが急に変わり、生徒も混乱する」と主張する反対派、さらには「我関せず」と、そういった議論にはまったく参加しない無関心派の三つに別れ、教員集団としてのまとまりが壊れてしまいました。

 良心的に見れば、その方は旧来の手法では学校が活性化しないと考えたと思われますが、提案される内容の多くが県教委の意向を組んだ内容であることが多く、生徒の立場に立っていないなと感じました。

 それでも、なんとしてもやらねばならぬ、という気概だけはあったのか、会議が紛糾すると、次は「私の意向に添えない先生は他の学校に異動してもらいたい」と言い出し、リーダーシップ歓迎派はそれに賛成。反対派は結局ポツリポツリと他校へ異動。嫌な時期でした。

 「そこまでやってその学校は活性化したか」というのが問題になりそうですが、私から見ると教員集団のまとまりがなくなってしまったことにより、学校運営がバラバラになり、生徒にとっても保護者にとっても良い印象がもてない学校になってしまったように感じました。(個人的な感想です)

 物事というのは、多面的な見方があり、「何かを成し遂げるためには様々な方法がある。だからこそ知恵を寄せ合って解決方法を探る」というのが、私の個人的な考え方なので、冒頭の「この道しかない」というフレーズに、ひじょうに大きな違和感を覚えます。

 前回も書きましたが、「この道を進めば大企業が儲かり、富裕層がより裕福になると思われますが、その分しばらく(いつになるか分かりませんが)は庶民にしわ寄せが行きます」、と安倍総理が言えばその主張には納得するかもしれませんが、単にばら色の未来のイメージを振りまく手法は、偽善的なものを感じます。

 とはいうものの、今日の新聞を見ても、こういった主張に共感する人が多いのか、リーダーシップに期待するのか、さもなくば既存の野党に頼れる党がないのか、自民党は圧勝の勢いみたいです。

 ということは、富裕層に限らず、庶民層も自民党の政策を受け入れるということですから、この先円安、株高、物価高、増税、社会保障費削減を黙認し、耐え忍ぶ生活をおくるということを認めるということになりそうです。

 毎日のように鉄道の人身事故が報道される中で、「本当にそれでいいのか?」という疑問を大きく持っていますが、有権者が選ぶ党の施策ですから、選んだ後は文句は言えません。

 出来ることは生活防衛のための節約と、円安を進むことを見越した外貨投資かなと思っています。
 
    
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