低空飛行訓練は弊害があるのみ

オスプレイの訓練飛行には反対です(2012.7.26)

 オスプレイの配備は、結局原発再稼働と同じようなニュアンスになってきたなと感じています。すなわち

@ 日本の防衛にとって必要である(電力供給が必要)
A 安全確認をする
B 安全確認が出来れば訓練飛行をする(再稼働をする)

という三段論法ですが、安全確認をしたと言っても事故が起こりえる可能性はゼロではない、ましてや安全管理設備はまだ建設途上である(原発の場合)と言って反対したのに、一部の識者が「暫定的に安全を確認した」という宣言をして、それが「安全確認」の証明となり、結局再稼働となりました。

 しかも最初は夏場の一時期だけ動かすと言う話が出ていたのに、いつの間にか恒久的に稼働するということになってしまいました。

 さらに関西電力の社長は、次は「高浜だ」と息巻いているようで、枝野さんは一応怒ったようなコメントを出していますが、結局ズルズルとあちこちの原発が再稼働していきそうで不安です。

 というわけでオスプレイも、国内に運び込んだ後になってから安全確認をするまで飛ばさないと言っていますが、いずれ何らかの安全確認が行われたという声明が発表され、それに基づいて政府が責任を持って判断した、という段取りを経て、日本各地を訓練飛行するのかなと思われます。

 それにしても、何故飛行ルートが人口密度がアメリカより圧倒的に多い日本各地に広がっているのか?なぜアメリカ本土でやらないのか? (もちろん少しはやっているのだと思います。だからこそ事故が公になっているわけです)

 要するに日本の地形が訓練に適しているからだと思います。つまり狭い面積の中に山や川や谷があって、その下に何もなければ訓練するのにこれほど適したことはない、と言うことになります。

 しかし実際にはそこで働いている人もいるでしょうし、田畑を耕している人もいるでしょう。場合によっては飛行ルートのすぐ近くに学校や病院があるかもしれません。

 「いや、そのようなルートは危険だからはずす」と言っても、あの訓練飛行ルートの長さを見るとはずすのは不可能に思えますし、100歩ゆずってはずせたとしても、豊かな自然があり、そこに動植物がいるわけで、そこを爆音と共に低空飛行訓練するなどもっての他です。

 信じられないのは、こうゆう訓練飛行を政府首脳がまったく反対もせずに、米軍がやることだからと第三者的立場に立とうとしているように見えることです。

 「オスプレイは危険だから直ちに持ち帰れ」「日本上空の低高度の訓練飛行は絶対に認めない」と何故言えないのか。「それは防衛上の問題で・・・」と言われても納得できません。

 それだったら訓練飛行を新宿や東京駅、霞ヶ関周辺でやったらどうなんだ、とまで言いたくなってしまいます。

 米軍の感覚は日本の国土を巨大な訓練飛行場としか見ていない、と言うことが今回の飛行訓練ルートの設定でよく分かります。そこにはそこに住んでいる日本人の防衛という意識よりも、強いアメリカ国家の防衛という意識しかないように思います。


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