爆音が聞こえる度に空を見上げる

オスプレイが沖縄に搬入(2012.10.2)

 オスプレイが政府の予定通り?地元の強い反対を押し切って沖縄に搬入されました。政府の言い分は「機体の安全性が確認されたことを政府として保証する」ということのようですが、現実に事故が起きている理由については人為的ミスである、という言い方で、人為的ミスは安全性とは関係ない、という訳の分からない論理です。

 たしかに車がどれほど安全でも、運転する人が酒を飲んでいたり、たまたま運転中に心臓発作を起こしたりすれば事故につながるわけで、こういったことも安全性の中に含めるのは考えすぎだとは思います。

 しかし事故を起こそうと思っているわけではなく、通常の飛行任務で真剣に運転操作が行われている機体が事故を起こしているわけですから、普通に考えれば極めて危険な乗り物であるという結論になりそうです。

 ところがそれが分かっていても、アメリカ側にそのことを指摘し拒否することは出来ない、と言うのが現在の日本の政治の基本になっているわけで、そのしわ寄せは結局配備される沖縄に向かうことになります。

 今日はテレビでもオスプレイが市街地上空を飛行している姿を放映していましたが、予想通りかなりの騒音です。事故が起きやすいと聞いていれば、あの騒音を聞く度に、周辺の方々は首をすくめて、機体がどの辺りを飛行しているか気になって仕事にならないような気がします。

 私は沖縄にはこれまで3回ほど行ったことがありますが、残念ながら普天間周辺は通過するだけで訪問したことがありません。その代わり嘉手納基地には行ってきました。

 道の駅「嘉手納」が滑走路の脇の道沿いに立てられていて、その3階建てぐらいの建物の屋上が基地の展望台になっていました。

 私が訪れたとき、ちょうどジェット戦闘機が離陸する時間だったらしく、屋上には愛好家か基地反対派か分かりませんが、20名近い人がカメラを構えていました。

 私も小さなデジカメを持って撮影しましたが、ともかく基地の近くに住んでいる人がいるにも拘わらず、建物の窓枠がビリビリ震えるような ものすごい爆音です。

 観光客なら30分も聞いていれば充分で、「凄いもんだな」という感想を持ちましたが、それが年がら年中、四六時中聞こえていたのではたまらないだろうなとも思いました。

 オスプレイは日本の防衛に絡む重要な機体だと言われれば、「はあ、そうですか。じゃあ配備もやむを得ないですね。あとはいかに現地の人たちを説得するかですが、まあこれはなし崩し的にやるしかないでしょう」なんて言う会話が行われたかどうかは分かりませんが、現実はその通りに進行しているように見えます。

 民主党政権は、またまた内閣改造を行いましたが、これまでやって来たことは、私から見ると矛盾ばかりが目に付き、論理性や一貫性も欠けているなと思わざるを得ません。

 原発は危険だと言いながら大飯を再稼働し、原発は30年代にゼロにする、と言ってしばらくすると、アレは目標だ、と言うことになり、オスプレイは安全性を確認し、地元の理解の上に配備する、と言いながら結局強引に配備を行い、消費増税前に解散すると言うことを臭わせながら、解散せず、やん場ダムは中止と言いながら、直ぐに着工となり、要するにその場で受けの良いことを言ってはその後で否定すると言うことを繰り返しているように思えます。

 まあ党内情勢が固まらないままに政権運営をしているので、常に党内に両極の意見があり、それらすべてを叶えるような言い方をしないと政党そのものが崩壊するという危機感を持っているのだと思いますが、政治は民主党政権を支えるために行うのではなく、国民の暮らしを良くするために行うのが基本です。

 現状では自らの保身ばかり、と解釈されてもしょうがないような政権運営にしか見えません。


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