少子高齢化の解決が最優先

今後の景気はどうなる?(2012.12.15)

 選挙前日となり、テレビでは街中を歩いている一般の方々を対象にインタビューを試みた映像が流れるようになっていますが、聞いていることも答えも皆同じなのは不可解です。

 つまりレポーターが、「今一番やって欲しいことは何ですか?」と聞いて、答は判で押したように「景気対策です」と答える様子が放映されています。

 こうゆう報道を見ていると、意図的なのかどうかは分かりませんが、国民のほとんどが景気対策を望んでいるようにも思えます。しかし実際にはどうなんだろうか、とテレビのインタビューに答えている、裕福そうな(多少偏見やひがみが入っているかもしれませんが)おじさんやおばさんを見ていて考えてしまいます。

 マスコミが意図的に誘導しているとは思えませんが、インタビューの答で「原発即時停止」とか「沖縄の地位協定を見直せ」といったようなことを叫んでも、結局報道されないような気もします。

 しかも街頭インタビューは、都内の繁華街で行われているようで、福島県とか沖縄県の実情はあまり見えてきません。また東京近郊の私が住んでいるいわゆるベッドタウンの高齢者達や、商店街の店主さん、農家の方々、いわゆる町工場で働いている方々という、圧倒的多数を占める人たちの声も取り上げていないような気もします。

 確かに製造業に従事している人は、景気が良くなれば物が売れて給料が上がり、生活は改善すると感じるのかもしれません。

 景気が良くなれば所得が増え、住宅ローンの支払いも楽になり、遊びにも行け、預貯金の金利も上がる(かもしれない)、という夢の実現に近づくような気もしますが、一方で、お金が動き出せば需要が多くなり、当然金利も上昇します。

 変動金利で住宅ローンを借りていた人は今まで以上に金利負担が増します。また給料が上がるという雰囲気になれば、当然物価も上がります。

 給料のアップ以上に金利負担が増えたり、物価が上がったりすれば、生活は今以上に苦しくなります。こういった影響をもろに受けるのは、たぶん年金暮らしの高齢者と生活保護世帯、低所得のパートや派遣の方々かなとも思えます。

 振り返ってみると、私が20歳になった頃から約20年間、いわゆる好景気が続き、給料はどんどん上がるという体験をしていますが、その間物価もどんどん上がるという現象も知っています。(毎年のように交通費が上がり、食事代も上がっていく、という恐ろしい現象です)

 しかし今現在40歳前後の方は、就職後、給料がどんどん上がり、物価も連動して上がっていくという現象を体験していないと言うことになります。

 そういったビジネスマンの多くは、現在のデフレ状況を見て、もっと景気が良くなればと思うのかもしれませんが、良くなればなったでそれなりに大変なことも多くなるのが経済の基本だと思います。(私は経済はほとんど素人同然なので、感覚的に書いています)

 かといって、デフレ下の現状を追認していると、日本は泥沼状態に陥りそうです。どうすればいいのか?

 自民党は金融緩和という注射を打って経済を立て直そうという考えのようですが、弱った体に注射をしたら、ますます体力が落ちるような気もしますし、そもそも少子高齢化が進んでいる現状で、経済が活性化するのか?という根本的な疑問も感じます。 


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