株価は上昇していますが
将来への負担は増すばかり?

日経平均は年初来高値を更新していますが(2013.3.7)

 日経平均は4年5ヶ月ぶりに12000円台回復です。為替は円安傾向が著しく、94円近辺です。しかし生活実態はあまり変わっていないなあと感じています。

 週刊誌の見出しを見ていると、安部バブルはいつ崩壊するのか、なんていう見出しもちらほら見えるようになってきました。

つまりかなり多くの人が、実体経済はほとんど変わっていないのに、為替が円安になったことにより、これからは何となく経済が好転しそうだという期待感を持ってはいるものの、一方で今の状態に違和感を持っているのだと思います。

 そのためか、いつまで日経平均は上昇するのか?バブルはいつはじけるのか?という論調も増えてきました。

 大方のところは夏に参院選がありますので、その頃まではと期待していると思いますが、もしそう予測するならば、その前に投資をしていた人は利益を確保するために、いったん「売り」という行動に入らなくてはいけません。

 この時誰よりも高い価格で、誰よりも素早く売ろうと思ったら、他人の動向を伺いながら、ギリギリまで待ちつつ、最後はフライング気味に飛び出して売るのが正解なんだろうなと思っています。

 しかしそんなタイミングなど誰も分かりませんから、結局何らかの外的要因で、ある日突然ガタガタっと日経平均が落ちていく可能性もあるわけです。

 要するに夏までは半信半疑の嬉しい気持ちを持ちながら、ある意味で神経戦が展開されると言うことでしょうか。

 では夏以降どうなるか?これも予想すること事態が本来不可能なわけですが、当然参院選の結果にも左右されます。ただ現状ではまたまた自民党が票を伸ばしそうですから(というか他の野党がだらしないので)、さらにバブルは続くと考える人も多いかもしれません。

 と言うことは要するにさらにチキンレースが続くと言うことですね。崖っぷちに向かって疾走し、誰が最後にブレーキを踏むかという競争がありますが、タイミングを間違えれば奈落の底に真っ逆さまです。

 個人的にはそういったレースに参加しているわけではありませんので観客の一人として見ていればいいわけですが、そのレースが白熱すればするほど、国の借金は増え、子ども達の世代への悪影響が大きくなるということを忘れてはならないと思っています。

 今日の新聞の片隅に、「国の借金、22年度1000兆円超」という見出しが出ていました。2013年度は732兆円で、これが9年後の2022年度には1014兆円になるという予想です。

 しかも概算では2022年度には国債の利払いだけで約24兆円に達すると書かれていますから、現在の税収の約半分に相当します。

 はたしてそんな財政状態の国が国として存在できるのか?しかも人口はどんどん減っていきますから、生産効率はさらに下降し、税収は減る可能性すらあります。

 技術革新によってより良い製品が作られ、海外への輸出でなんとか利益を得ようというのが経済界の思惑なのかもしれませんが、すでに近隣のアジア諸国と技術開発力は拮抗している状態ですから、これまでと同じような旨味はなさそうに思えます。

 ここ数か月で経済が回復してきたかのように思えることも大事ですが、5年10年更には20年、50年先の事を考えるのが政治の仕事だと思います。しかしそういったビジョンは余り聞こえてきません。


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