消費者にとってのTPP参加の意味

TPP参加表明と消費者(2013.3.16)

 世界の中でもっとも早くバブル崩壊を体験し、未曾有の超高齢化社会に突入している日本の行く末はどうなるのか?

 昨日は、老成した国が、もう1回かつての景気を取り戻したいという強い希望を持ち始めたのではと書いたつもりですが、その最初の足がかりになるのはTPPになりそうです。

 今日の新聞を見ているのですが、現段階では交渉に参加することを決めた、というだけです。同時に昨晩の記者会見では「何故参加しなければいけないのか」という理由の説明がありました。

 その理由はいくつかあるようですが

@ 経済効果を試算した結果、すべての関税をゼロにしても、全体としてプラスの効果がある

A 世界経済の3分の1を占める大きな経済圏が生まれつつある

B 日本だけが内向きになっていては、成長の可能性も限られる

C 夏の会議が日本にとって(有利に?)参加を表明する最後のチャンスになる可能性がある

D このチャンスを逃すと、日本が世界のルール作りから取り残される可能性がある

というような事が挙げられるのかなと思います。要するにこれから太平洋を取り巻く諸国の中で日本が活動していくためには、多少のリスクがあろうと、現状では参加表明をしないと世界に取り残されてしまう懸念があると言うことだと思います。(この辺り見方によってはアメリカの意向に沿っているとも思えますが)

 ただ、不利な条件として、日本はすでに参加表明が遅れているので
@ すでに合意されているルールを認めないと言うことは出来ない

と書かれていますので、今後情報をきちんとその都度知らせると言っていますが、結果論として「こうなりました」という報告だけが行われる可能性も大きいと思われます。

 ということは国民の側としては、「あ〜そうですか」と言うしかないわけで、それから「どうしよう?」と対応していると、経済的に大きな打撃を受ける可能性がありそうです。

 だからこそ、どの業種が一番大きな影響を受けるのかということが問題になるわけで、日本全体として経済的に効果があるとしても、特定の業種への経済効果はかなり厳しいものになることが予想されます。

 新聞ではその業種として牧畜業、乳製品、米、小麦、砂糖等に影響が大きいと書かれています。

 一方恩恵を受ける業種が何かと言うことが書かれていないのでよく分からない部分があるのですが、これまでの雰囲気からすれば、いわゆる自動車産業や精密機械等のハイテク産業になるのかなと思われます。

 つまり簡単に考えれば、農業等の第一次産業が打撃を受け、製造業等が恩恵を被ると言うことでしょうか。

 一方一消費者として考えると、海外から安い食品が多量に輸入される可能性があり、家計的には助かる部分があるのかもしれませんが、今ですら様々な食品への添加物が取りざたされていますから、その取捨選択に一層見極めが必要になるのかもしれません。

 しかも食べ物や製造業だけでなく保険や金融、医療と言った部分でも今後新しく海外の企業が参入してくる可能性があるわけですから、どうゆう利点があって、どんな不利があるのかということをきちんと見極められる教養が必要になってくるのかもしれないなと感じています。


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