3年後は今より実質4%の物価上昇?

3年後に物価上昇2%達成?(2013.4.27)

 「日銀が物価予測を引き上げ」た、と言う記事が今日の毎日新聞朝刊の1面に出ていました。物価予測ですから、実際にこの通りに物価が上がるわけではなく、あくまで上がるであろうという結果を予測するというものです。

 しかし今年1月に発表されたものと4月に発表されたものでは、たった三ヶ月なのに、その数字が大きく変わっています。消費者物価指数の表を見ると

1月発表 4月発表
13年度 0.4 0.7
14年度 0.9 1.4
15年度 記載無し 1.9


となっています。まあこれで2%物価目標が達成できると言うことのようですが、計算する方はそれで良いとしても、消費者側としては対策を考えなくてはいけないなあと思います。

 先ずこういった数値の解釈ですが、年数%だからたいしたことはない、と思えてしまいますが、実際にはかなり重い数字だと思います。

 特に上昇率は前年度上昇率に加えて上昇する複利計算のような形で行われるはずです。つまり、13年の最初に10000円のものは13年度末に10070円になっているということですが、問題はその次の年です。

 14年度は10140円になっているのではなく、10070円の価格が1.4%上昇するわけですから10211円になっているはずです。さらに15年度は、この価格が1.9%増しですから10405円となります。

 細かいことですが、生活費の支出が年間150万円ぐらいの我が家で考えると、年間で今より約6万円の負担増です。一ヶ月あたり5000円。かなり大きいです。

 またこれは価格の上昇のみを考えていますので、消費税が5から8%に上がれば150万円の消費に対する税額は、7.5万から12万に上がりますから、ここでまた4.5万負担が増えます。

 ということは年間で約10.5万の負担増となり、一ヶ月あたり1万円弱を節約しないと、特に収入アップが望めない年金暮らしの我々にっとって深刻な事態です。

 確かに今は何となく将来が明るくなりそうだという期待感というか高揚感で、経済が回りつつあるように思いますが、その背景にあるのは、見た目がはっきり分かる株高であって、投資をしている人以外はその恩恵を享受している人は少ないように思います。

 しかも、いずれどこかで株式の上昇はストップするはずで、そこから先が再びバブルの崩壊になるかもしれません。政府としては、ある程度の高値圏で均衡を保つというのが理想なのかもしれませんが、その理想に年金暮らしの我々や、低所得者層と言われる人たちの収入が追いつくのかどうかが試されていると思います。

 もし失敗すれば、この25年ぐらいの不況を上回るような、国家的な借金地獄が待っているような気もします。そうならないように政府は努力するのだと思いますが、小心者の私には、なんだか今にも崩れ落ちそうな危険な橋を渡っているように思えてしょうがないです。


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