子ども人口が減って年金はどうなる?

子どもの人口が最低を更新(2013.5.5)

 総務省が、4月1日時点で15歳未満の子どもの数を発表。それによれば、前年より更に少ない1649万人だそうです。これは1982年から32年連続で、総人口中の子どもの割合は12.9%

 65歳以上の人口は2012年10月時点で3079万3千人だそうで、こちらは104万1千人の増加。全人口中の割合は24.1%。ちなみに全人口は1億2751万人だそうで、こちらは2年続けて減少。

 つまり単純に見て、子ども一人に対して老人が二人いるということです。ということは、この先の年金は・・・と考えて愕然。政府の説明では、胴上げから騎馬戦(3人で一人の高齢者を支える)、さらに肩車方式(1人で1人を支える)と説明されていますが、実情は一人で二人を支える重量挙げ型?(私が勝手に名付けています)の人口比になりつつあるように思えます。

 ということは、年金を維持するために勤労者の給料の中から、年金の財源を無理矢理取り上げるのも限度がありますから、当然国が負担するお金(国庫負担)を増やさないと、若い人は勤労意欲を失うことになります。

 しかし国が負担するお金の財源は税金です。ということは何らかの形で税金が増えるということになりそうです。すでに消費税は5から8、さらに10%まで上昇することが決まりつつあるようですが、年金負担が騎馬戦型から重量挙げ型にまで変化していくと、国が必要な税金額を確保するためには、さらに消費税アップが必要なことは明白です。

 ということは給料の手取額はそれほど変更はないけれど、結局日常生活の中で支払う税金額が増え、それが年金の国庫負担に回ると言うことになりそうです。つまり、どっちに転んでも家計費への負担は間違いなく重くなっていく、ということです。

 ではそれを避けるためにどうするか、となると方策は二つ。受給額の減額または年金受給開始年齢のさらなる変更しかないと思いますが、受給開始年齢の変更は現在男性は昭和36年4月以降に生まれた人が、65歳開始となっています。

 いくらなんでもこの人達の開始年齢をさらに変更すると言うことはないと思いますので、その次の対象と考えられるのは昭和38年4月以降に生まれた方でしょうか。50歳以下になるのかなと思われますが、この方達の受給開始年齢を変更しようという動きが、これから出てくる可能性はありそうです。

 同時に若者の人口が減るという現状がある以上、定年制も少しずつ今後伸びていくのかなと思われますが、60歳を越すと各個人の体調の格差は大きくなると思いますので、一律に定年を伸ばすのも考えものかもしれません。

 また年金額そのもの減額は、物価上昇率2%を唱えているうちは、実現は難しいように思います。

 こういった現状に対して、現在の政府は子育て支援と言うことで動き始めているようですが、何か有効な手だてが法律的に決まったとしても、それが効果をあらわすのに10年ぐらいかかるような気もします。

 前にも書きましたが、晩婚化と教育費・子育て費用の高騰が人口減の一つの問題点だと思っています。私自身パッと思いつくような手だては無いのですが、場合によっては海外から若い人を受け入れる制度を拡充しても良いのかなと思っています。

 それが出来なければ、SF的な発想ですが、逆に日本人がすべて海外に拡散していくということも考えられます。しかし現在の先進国はほとんどすべての国で似たような問題を抱えていますので、どこに行っても代わり映えしないかもしれません。

 SF的な発想をさらに飛躍させると、それが人間の種としての寿命なのかなとすら思うこともあります。あと10000年ぐらいで人類が死に絶えたとしても、長い地球の進化の歴史の中では、ほんの一瞬光り輝いて文明を築いた生物がいたということぐらいしか残らないように思います。


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