本当にお金が末端まで循環するのか?

円安、株高、物価高、消費増税で庶民の暮らしは・・・?(2013.5.9))

 新聞を読んでいると、「景気回復」への期待感を煽る記事と、一方でその恩恵を受けられない方々の生活困窮度がますます高まっているという記事が交錯しています。

 今日の毎日新聞第一面のトップは「トヨタ営業益1.3兆円」というものです。また経済面には「国内株投信 人気続く」という見出しがあります。これは景気回復側。

 しかし1面の左側には「年金担保で困窮5000人超」という見出しがあって、こちらは年金受給者の生活破綻についての記事です。また社会面には、サラリーマンから見ると個人営業の花形に思えた弁護士さんの中に、年収が100万円以下の方が2割いると書かれています。

 とはいうものの、ともかくどこかが大きな利益を上げていかないと景気回復は望めませんから、その意味では最初に大企業の利益が伸びると言うことが必要なのかもしれません。 

 またそれが自民党の政策というか景気回復の方針だと思いますので、これを足がかりにして業績回復 → 給料アップ → 消費刺激 → 景気回復 → 税収拡大 → 社会保障費充実 → 生活困窮過程への支援、という流れになるのかなと思われますが、一番最後の社会保障の充実までの道のりは長いです。

 大企業のサラリーマンは、それでもこういった恩恵を一番最初に受けられる層になるのかなと思いますが、中小零細企業の経営改善までその影響が波及するのはいつのことになるのか?

 その間に国内の問題ではなく、海外との関係で何か一つきっかけがあれば、上記のバラ色の景気回復過程は、一変に崩壊する可能性もあります。

 (心配しすぎだろうという考えもあると思いますが、年金生活に入っている以上、今後大きな収入が得られる見通しがないので、景気の動きには敏感にならざるを得ません)

 一方一面の下の方に、消費増税後のセール表示は「消費税」という語句が入らなければセールを許容するという、結局ほとんど意味のない、何とも馬鹿馬鹿しい仲裁案が出ています。

 消費税アップに伴うセールは厳禁、ということを誰が言い出したのかは知りませんが、消費者やメーカーの立場に立って考えれば、そんなことができるわけがないし、第一国がそんなことを指示するのはおかしい、と考えるのが当たり前のように思えます。

 もともとは中小企業の救済のための善意からの指示だったようですが、相手の立場に立てない上から目線の人が考えついたのかなと想像しています。

 こんなテーマのために、国会で余計な審議時間をつぶし、多数の方が会合を開いて、セールの言葉はどんな語句なら許されるのか、なんてことを真剣に討議していたと思うと、もっと他に考えることがあるだろう、とつい言いたくなってしまいます。 


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