数字だけ見ればとっくに破綻
しかし危機意識があるように見えません

国の借金、1000兆円突破(2013.8.11)

 昨日の新聞だったでしょうか。「国の借金 1000兆円突破」という記事がありました。借金という語句の範囲(定義)そのものの意味が私にはよく分からないのでコメントが難しいのですが、とんでもない大きな額であることは間違いなさそうです。

 「国の借金」というキーワードで検索したら財務省の「公債残高の累増」というページが出てきましたので、今ここに掲載されているグラフを見ながらこれを書いています。

 このページに示されている数字では、平成25年度末には約750兆円となっていて、新聞報道とは数字が大きく異なります。

 ただ新聞報道は「国債+借入金+政府短期証券」の額だと言うことですから、その意味では借入金と政府短期証券を合わせると250兆円ぐらいになるのかなと解釈しています。

 新聞記事では、これを総人口で割り算すると1人あたり792万円になるとのことで、ちょっと前までは500万円を突破したと言うことが話題になっていたと記憶していますので、その増加率は目を覆うばかりのような気もします。

 さらに財務省のページでは、この750兆円は一般会計税収の約17年分に相当すると書かれていますから事態は深刻です。このページに書いてある兆円という単位を10倍して万円に置き換えてみると

 年収(税収)は430万円で、現在の借金(公債残高のみ)は7500万円あると言うことになりそうです。問題はこれをどうやって返済するかですが、2013年度の予算を見ると、一般会計の総額が93兆円ぐらい。つまり上の例で言えば930万円。

 また930万円の内、220万円ぐらいは借金の返済で290万円が社会保障費に使われているようです。従って基本的にこの二つで年収以上になります。つまり生活費はゼロもしくはマイナス。完璧に破綻しています。

 普通の家庭なら430万円の収入で、超緊縮財政をとり、300万円を生活費や医療費に充て、残りを返済に回す、というような意識になると思うのですが、国の場合はそれが成立しない。

 借金は返さなくてはいけない。社会保障費は法律上支給しなければいけない。そして一般会計の予算を確保しないと国が運営出来ない。というがんじがらめの状態になっています。

 家庭でもそうですが、民間会社ならとっくに破綻。経営陣は総退陣となるはずです。その意味では、この借金の経営責任をとって、全国会議員は今後50年間給料なしとしても良さそうにも見えてしまいます。

 財政があまりに悲惨なため、現政権は来年度予算編成に当たって、これまで以上の緊縮財政ということを言っているようにも見えますが、復興予算のいい加減な使い方を見ていると、あまり信用できません。

 そんな中で今日の朝刊には政府専用機を2機新調なんて記事がありましたが、こうゆう記事を見ていても、国会議員さんの中に、危機的状況にあるという認識が少ないようにも思えます。

 東京電力の節約キャンペーンではありませんが「足りない足りない」と叫び、不安をあおり立て、何とかするためには増税、社会保障費カットしかない、という方向に国民を誘導しているような気がします。

 本当の意味で国を憂えている方もいるのだと思いますが、現状は不安と不満だらけ。今日の新聞には「生活に満足」7割超なんていう記事も出ていましたが、疑い出すとこういったことも、生活に満足なんだから増税もOK、と言うように読み取れてしまいます。

 さて、何が正しいのか?国の借金が今後も増え続けることだけは間違いなさそうです。


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