個人への負担は強まるばかり

概算要求99兆円越え、財政規律はどうなる?(2013.9.5)

 今日の新聞に2014年度の一般会計の概算要求の総額が99兆2500億円になったという記事が出ていました。社会保障費の自然増が1兆円増。発行済み国債の利払い費が3兆円増だそうです。

 国債費を除いた政策経費は約74兆円だそうですが、税収が40兆円前後しかないのに、74兆円を要求するという各省庁の感覚がよく分かりません。

 とはいうものの、昨年並みの予算+新しい事業という発想しかなければ、予算要求が今後も増え続けれるのは当たり前です。

 月曜日の新聞には、人口減少に伴って働く世代が減っているという社説が出ています。先ず人口ですが、前年比20万人減の1億2639万人だそうで、4年連続の減少だそうです。

 しかも減り方が激しいのは15〜64歳の人たちで前年比125万減だそうで、8000万人を割り込んだそうです。つまりアベノミクスで経済活性とかけ声をかけても、その経済活性を担う人たちが減っているということです。

 それに対して出来ることは、少子化対策、高齢者雇用、女性雇用だということのようですが、少子化対策は何をしているのかよく分かりませんし、高齢者や女性の雇用と言いながら、結局はパートや派遣労働を増やしている実情があるわけですから、なんだかちぐはぐなやり方をしているなと思わざるを得ません。

 一方支出は増加の一途を辿っていますから、海外からの財政立て直し要請に応えるためには、消費増税を行うか、ひたすら増え続けている社会保障費を削らざるを得ない、という結論になります。

 そうゆう背景があるからかどうかは分かりませんが、今日の新聞では「高額療養費」の「自己負担上限引き上げ」という記事が出ています。

 高額療養費というのは、長期的な入院や高度医療を受けざるを得ないような場合に、医療費負担が、ある一定の限度額を越えたらそれ以上は払わなくても良いという、ひじょうにありがたい制度です。

 私自身、妻の2年近い長期療養で、この制度を活用し、この時初めて「こんな制度があったんだ。これなら多額の医療保険は必要ないじゃないか」と認識を新たにした制度ですが、その負担上限額が今後引き上げられると言うことです。

 金がないんだからしょうがない、と言われれば、大多数の素直な国民は「そんなもんかな」と思ってしまいます。

 それを良いことに、税金が上がり、社会保障の負担が上がり、肝心の社会保障で受けられるサービスが低下し、高齢になるまで働くことを強要され、年金支給年齢は上がり、額は減る、という動きが今後もさらに続くような気もします。

 一方で福島第一原発の汚染水問題は、政府が介入することによっていかにも早期に解決するようなニュアンスが醸し出されていますが、毎日何百トンという地下水の流れを制御することが今後必要になるわけで、その対策費用はとどまるところが無いような気もします。

 ましてやその後に廃炉という10年、100年単位の作業が控えているわけで、その間の支出を考えると東電1社だけでは支えきれず国が乗り出したように、場合によっては日本だけでは支えきれず、海外からの介入を受けざるを得ないと言うことになるような気もします。

 天気が悪いせいか、こういったことを考えていると、どうも悪い方向にばかり物事を捉えてしまうような気もします。しかし、実際問題、どんな解決方法があるんだろうかと考えると、凡人にはさっぱり先が見えてきません。 


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