運用を失敗したらどうするのか?

年金運用「国債中心 見直しを」で本当に大丈夫か?(2013.9.27)

 今日の新聞朝刊の片隅に、「年金運用「国債中心、見直しを」という記事が出ていました。右上の隅ですから、あまり目立たないかもしれません。

 しかし内容を読むと「本当に大丈夫なのかな?」という不安を感じたので、ここに取り上げることにしました。 気になった内容ですが、

・ 株式等への分散投資
・ 不動産投資信託
・ 未公開株
・ 商品投資
・ 場合によっては海外資産への投資を増やす

等だそうです。たまたま今少し株価上昇の勢いがあるように見えているので、この機に乗じて運用先を拡げ、より利益を確保したらどうかという考えのようですが、株価が上昇してきたのはたかだかこの半年ぐらいのことで、来年には消費増税が控えています。

 自民党の政策は、個人から消費税をむしり取り、年金受給額を引き下げ、その上で物価を上げ、企業の利益を優先し、さらに企業の減税を行い経済を立て直すという方針のようですから、当面企業は潤うのかもしれませんが、その後に景気が回復するのかどうかはまったく不明です。

 そうゆう中で、目先の動きにとらわれて、本来50年とか100年というオーダーで考えなくてはいけない年金運用を、簡単にリスクのある商品の購入に充てて良いのか?という不安を感じます。

 逆に言うと、そういった一発勝負?をしていかないと、もうすぐ年金原資は枯渇する恐れがあるという証拠の裏返しであるような気もします。

 もし年金原資が充分にあり、リスクをとらなくても収入と支出の帳尻が合っていれば、こうゆう乱暴な意見は出てこないt思います。

 運用がうまくいって利益がどんどん膨らめばいいわけですが、所詮投資はゼロサムゲームに近い性質を持っていますから、どれほど素晴らしいプロが運用しても長年に渡って利益を出し続けることは出来ないはずです。

 また自然災害や偶発的な事故によって経済が打撃を受ける可能性は、今後も増えると思います。

 そういった影響で運用益が下がり赤字になったとき、いったい誰が責任をとるのか?運用していた人は資産を投げ出すのか?今ここで提言ととして述べた人も、自分の言動に責任をとって資産を投げ出すのか?

 言うだけ言って決めておいて、運用は誰かに任せて、失敗したら運用者の責任。その人をやめさせて、責任追及はそこでお終い。赤字は残ったまま、と言うのがこれまでこういった年金や経済の失敗に対する責任の取り方だったような気がします。

 そうやって積み上がってきた赤字によって、年金原資は減り続け(もちろん少子高齢化という事もありますが)誰もが将来に不安を持つようになってしまったのかなと思っています。

 運用先云々よりも、年金そのものが今後どうなるのか?口先で「まだまだ大丈夫」と誤魔化すような言い方をしないで、「こういった運用をしないと年金は無くなる」とはっきり言ってくれた方がまだスッキリするような気もします。


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