秘密保護法反対のデモはテロ行為?

大声で威嚇するデモはテロと同等?(2013.12.3)

  「大音量で威嚇するようなデモはテロに値する」と石破幹事長が自身のブログで書いてしまい問題になっていますが、まあこれは問題になって当たり前のように思います。

 この方はマスコミの前で発言するときはかなり言葉に気を使っているなといつも思って聞いていたのですが、ブログではつい気持ちのゆるみがあったのか、本音が覗いてしまったのかなと思います。

 「テロ」という言葉について調べてみると、ウィキペディアでは「何らかの政治的目的を実現するために、暴力によって脅威(恐怖心)を相手に与えることを手段として用いる傾向・主義、およびそれによって行われた行為」と書かれていました。

 しかしデモで声を出すことがテロと同等だというのは、あまりにも短絡的です。今回の「秘密保護法」の議論は、まだまだ曖昧にされている部分が多くあり、公聴会で多数の参加者が反対している中でいきなり強行採決になったわけですから、不満が起きるのは当然です。

 その不満を訴える手段としてのデモですから、それをテロと堂々と言ってしまったということは、石破幹事長さんが、このデモの盛り上がりに対して脅威を感じてしまったという事なのかもしれません。

 さらに良心的に考えれば、今回の法案審議について若干の後ろめたさも感じているため、デモの盛り上がりに一層気持ちが揺れたのかなと思います。

 確かに民主主義という言葉を考えれば、多数決で決まったんだからという語句は説得力を持つかに見えますが、そもそも国会議員の定数削減問題や1票の格差問題については知らんぷりをして、審議を進めてきているわけですから、民主主義の前提が崩れているようにも思えます。

 今日の新聞はこの話題が多いですが、1面の片隅には福島2号機で観測用井戸からの汲み上げ水で110万ベクレルのストロンチウムを検出という記事が出ています。

 国の放出基準は30ベクレルだそうですからとんでもない放射線量で、しかも体に蓄積しやすいストロンチウムですから、これが少しずつ太平洋に漏れ出ていると考えるとかなり不安です。

 こういったことも、秘密保護法での扱いはどうなるのか気になるところで、秘密指定を受ければ情報は公開されなくなるということでしょうか?

 そうなると国の運営や施政者にとって都合の悪いことはどんどん機密にしてしまえばよいという発想をする人が現れてもおかしくありません。

 かといって確かに国自体が守らなくてはいけない秘密もあるのだと思います。個人的にはそういった秘密はどんな官公庁にも企業にも、そして個人にもあると思うのですが、政権側がそれを意図的に操作でき、さらに何を秘密にしたかも秘密であるという部分が納得できません。

 さてどうなるのか?毎日新聞に野坂昭如さんが、戦時の事を振り返りながら「七転び八起き」という欄で、いつも有益なコメントを書いておられますが、的確だなと思っています。きょうの題名は「戦時の日本に戻るぞ」でした。


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