老若男女すべてに労働を強制?

全国民が必死に働かないと国が滅びる?(2014.9.30)

 民間給与が3年ぶりに増加したと新聞に出ていました。民間企業で働く会社員さんやパート従業員さんたちの2013年の平均給与は413万6千円だったそうで、前年度より5万6千円の増加。

 少しでも増えたほうが良いとは思えますので、先ずは目出度し目出度し。しかし上昇率を見て見ると1.4%。年収が400万円だった人が実際に消費に回せるお金は税金や保険、貯蓄、住宅ローン,教育費等を除いて200万ぐらいでしょうか。

 この間に消費税が5から8%と3%増加しましたから、単純計算で200万の3%を考えると6万円の負担増です。ということは収入増加分より負担増の方が大きいということです。つまり給料は上がったけれど生活は苦しくなったということになります。

 ましてや給料が上がらなかったら、さらに悲惨です。特に非正規雇用者さんの年収は167万8千円だそうで、これは前年比0.1%減。新聞ではこういった非正規の従業員の方が約1040万人いると書かれています。

 安倍総理は昨日の所信表明演説で、給与が上がって経済回復の兆しが見えていると強調していました。確かに全体として収入は上がりましたが、消費増税や物価高には追いついておらず、また収入格差も拡大しているという印象を受けます。

 そういった印象を持つ理由は、ついつい新聞記事の悲観的なニュースを見てしまうからですが、先日の記事では大学や高等専門学校の中退者が2007年度に比べて2012年度は約1.6万人増えて79311人になったと書かれていました。これは全学生の2.7%だそうです。

 問題だなと思ったのは、この中退者の理由で、経済的理由が前回の14%から20.4%に増加していることで、経済格差が学歴格差を生んでいることになります。

 一方そういった現実がありながら金融緩和を推し進めている関係や消費増税の影響で円安が進み、輸入品の物価が上昇傾向にあるようです。

 先日はUCCがコーヒーの値上げを発表。さらに昨日だったでしょうか。日清食品が即席めん等を値上げすると発表。他にも乳製品の値上げやフェミリーレストランの値上げもすでに実施されているようです。

 昨日のテレビでは老後破綻を取り上げていました。私自身もそうですが、あらゆる出費を悪い方で考えて試算すれば、当然ながら貯蓄はすぐにそこをつくことが予想されます。
 
 それを見越して様々な防護策を講じるわけですが、今回の御嶽山の噴火のように、まったく予期していないところから災害が襲ってくるということは充分考えられます。

 「プレジデント」という雑誌の広告が新聞に出ていましたが、特集は「金持ち老後、貧乏老後 あなたはどっち」という見出しがつけられています。最近こういった特集をするマネー雑誌が増えてきたなと感じていますが、それだけ切実な実態があるということなのかもしれません。

 雑誌では広がる格差の原因として、年金、売れない家、医療費アップ、再雇用の収入減、介護、無職の子どもといった項目が上げられていますが、確かに頷ける部分もあります。

 安倍総理は、女性が活躍する社会、若者ががんばれる社会を目指し、現在働いている世代には年功賃金見直しをせまるそうです。

 ちょっと前には希望者は年金受給繰り下げを選択できる制度をつくり、働きたい人にはさらに働いてもらうみたいなことを言っていましたから、要するに早い話しが若者から老人まで男女を問わずひたすら働け、と言っているのと変わりないように感じました。

 さてぐうたらな私はどうするか?やはり妙案は浮かびませんが、政権側の意図をなるべく早く見通して、飄々と生き抜くことを目指したいなとは考えています。


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