批判するのは簡単ですが

リスクと利点を明確にした議論をして欲しい(2015.6.3)

 国会では集団的安全保障の論戦が活発ですが、負担やリスクを説明せずに、ただひたすら戦争抑止力になると言い続けている姿勢に賛同できません。

 現状はこうだからこれが必要だ。だけどこういったリスクがある。そして私たち自民党はそれぞれをはかりにかけて、今はリスクを覚悟してもらうことが将来の安全保障に繋がると言えばすっきりするのに、リスクは無いけど危険地域には赴く可能性があるという訳ですから、結論から言えば「訳がわからん」ということになります。

 何だか原発の論理とも似ているなと思います。危険性はあるのに、それは安全だと言い張り、だから再稼動だと主張しています。

 オスプレイも事故が現実におきているのに、機体に問題は無いから安全だと主張し、横田基地にまで持ってこようとする米軍の意向だけを尊重しています。

 辺野古の基地問題も、自然破壊が進み、基地負担は軽減しないように思えるのに、移設こそが負担軽減だと言い張り、基地そのものを無くそうという意図はまったくないように思えます。

 もちろんまったく自衛的な組織を持たずにいれば心配だということはよく分かりますが、根本的な部分では、アメリカの経済が疲弊し軍事負担が重くなった分、日本がその一部を肩代わりするということが背景にあるのだと思いますが、肝心なところをボカシテ議論を進めようとするので、すべてが怪しい議論に聞こえてしまいます。

 とはいうものの、戦後70年、ちょうど私が生きてきた62年間の間他国との紛争はまったくなく、不況だ不況だといわれながらも、ある程度の文化的な生活が送れ、父子家庭になってもそこそこの公的な援助があり、なんとか年金をもらえそうな社会になったのは、ある意味自民党政権の力だったといえるのかも知れません。

 ただこれまでの自民党は、悪い意味での派閥がありましたが、良い意味ではそれらの派閥が活発に意見交換をしていたように感じられました。しかし、今は自民党内での議論が硬直化しているようにも見えます。

 そもそも一国の首相が、自分の答弁は呆れるほど冗長なのに、質問者に向かって「早く質問しろよ」と野次を飛ばすなんて聞いたことがありません。

 なにか痛い腹を探られたときとか、自分にとって都合の悪い方に議論が向かっているなと感じるとき、この人は内心大きな憤りとイラつきを覚え、それがときに口に出てしまうのかなと思いますが、他人の答弁に必要以上に割り込んだりする様子は、ガキ大将と変わりません。

 それでも、こういった政党を信頼して投票した人が多かったからこそ、最大与党となっているわけで、国民の政治家に対する見方がつくづく甘いなと感じてしまいます。

 しかし批判ばかりしていても、これまた情けない。批判するのは簡単。実行するのが大変というのは、サラリーマン生活で学んだ教訓です。実際問題一国の動きをコントロールするということがどれだけ大変なことなのかは政治家になってみないと分からないような気もします。

 さてどうなるか?ことが自分自身以外の息子の世代に直接関係する話題が増えているので、少なくとも関心だけはもって注視し、各党の動きから次の選挙での投票行動を決めようと思っています。


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