安易に投資に手を出すと・・・

マイナス金利で個人の預貯金はどこに向かう?(2016.2.17)

 予想通りマイナス金利の影響がじわじわ広がっているようです。だいたいこういった新しい流れが生まれるときは、最初は一部の将来を予想することに長けている人が何かを先行実践し、その後多少目端の利く人が追随。

 そういった流れを察知したマスコミがさらに煽る?ことによって、一般の人たちが雪崩を打って動き出します。

 しかしその頃には、リスクをとって最初に動いた人は莫大な?利益を得られる可能性があるものの、最後の庶民が動く頃は、利益が出たとしても、それは分捕り合戦となり、まあ要するに「まあこんなもんか」という程度で終わることが多いように思います。

 それでも、何とか利益が出ればまだしも、時流に乗り遅れ、さらに損失まで発生なんてこともないとは限りません。

 今回のマイナス金利では、先行投資をしていると思われる方が今何に投資をしているのかは全く不明です。あとになって、あの時こうやって資産を増やした、というような逸話が紹介され、一般庶民がそれを真似するという事になるのかなと思っています。

 というわけで、私はせめてその中間ぐらいの存在でありたいなと思っているのですが、では例えば預貯金を解約して、そのお金をどうするのか?と考えると、そこで思考がストップしてしまいます。

 ヤフーのニュースでは、金庫を扱っている会社の株が上昇しているという記述がありましたが、利便性という点では、手元に現金を置いておいた方が間違いなさそうです。

 今回私は、鼠蹊部ヘルニアという病気で3泊4日の入院を体験し、その際入院手続きで15万円の前納金が必要と言われました。その程度のお金ならすぐに用意できるので銀行に行きました。

 しかし、もし私が一人で暮らしで満足に動くことができないような状態だったら、このお金を引き出すという作業もできなかったかもしれません。

 だとすれば自宅の金庫に常時100万ぐらいの現金を置いておくなんてのは、高齢者の常識になるかもしれないなと感じました。銀行に置いておいても利息は付かない。引き出すのには時間と労力が必要というのでは、何のために預金しているのか、まったく意味不明です。

 まあ金庫代わりだという事になりそうですが、実に利便性は悪いです。

 一方手元に現金があったなら、株やFX,投資信託に投資をしようと考える人も中にはいるかもしれませんが、慣れない人が手を出せば、当然増えるどころか損失を抱える可能性も大きいです。

 嫌だなと思うのは、今後そういった余裕資金を当てにしたような投資信託の設定が急に増えるのではないかと思われることです。

 すでに子供のためのNISA口座なんてのを開いた人もいるかもしれませんが、投資というのは預貯金と違って、投資をした瞬間に手数料等の損失が発生します。中途半端な知識でやるぐらいなら、利便性は悪くても、減らない預貯金の方がまだよいという考え方もあるはずです。


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