使い捨て労働者と若者の今後

視野を拡げないと国内だけでは限界?(2012.1.4)

 今日の毎日新聞朝刊1面に「外国人採用増 23%」という記事が出ています。円高傾向を背景に海外に進出する企業が増加。そのため現地で従業員を採用する企業が増えているということだと思いますが、逆の視点で見ると日本でのこれ以上の投資はあまり効果がないということのように思えます。

 まあこれは当たり前で、企業としては作った物が売れないことには話しになりませんが、日本では人口がすでに減少に転じ、確かに購買力のある老年層は増えていますが、老年層はそうそうものを必要としません。

 色々な物を欲しがるのはやはり若い人たちのはずですが、その若い人たちが不況で痛めつけられ、企業が海外進出をするために、国内での就職がおぼつかず、フリーターや派遣労働が増えています。

 そのような実態を、営利を目的にする企業は冷静に見つめていますから、海外に進出するのはやむを得ない部分もあると思うのですが、困るのは残された若者たちですね。

 以前私は、若い方たちが生活保護をもらうのは身勝手だ、みたいなニュアンスの記事を書きましたが、今日の新聞の11面には現実はそれよりもずっと厳しいというような内容の記事が掲載されています。

 記事はリアル30’s 使い捨ていつまで」というものですが、派遣労働者の過酷な実態がよく分かります。これでは生活意欲を失い生活保護に頼っても当然かなという気もします。

 振り返ってみると、この流れは10年ぐらい前に始まっていたように思います。つまり「フリーター」という言葉が生まれ浸透し始めた頃です。当時は気楽に自分の好きな仕事だけをやって、残りの時間は自分の好きなことに費やす、というようバラ色の生活であるかのように語られていました。

 一方で私は教員でしたから、そんな目先のことだけ考えていると将来大変なことになるぞと進路指導主事の立場で生徒を指導したこともあります。しかし人間どうしても楽な方に流れますから、当時からフリーターを続けている人は今も多いのだと思います。

 その方々も今は20代後半から30代前半です。さて取り残されたこの年代の方々はいったいどうなるのか?この方々が一生懸命働くことにより、我々老年に近づく者達も元気づけられると思うのですが、突破口が見つかりません。

 私自身の年齢はもう定年間近で、一応基本的な生活は確立し、よほどのことがない限り生活破綻はないと思っています。もしそうなった場合は、現在住んでいる持ち家を売却すれば、少なくと生きていくことは出来るだろうと考え早期退職に踏み切りました。

 それは基本的に30数年間、長期にわたる入院や無断欠勤等をせずにきちんと働いてきた成果だと思い、自分なりに誇りに思っている部分です。

 しかしこの記事に出てくる方達の実情を読んでいると、今の時代は真面目に働いても会社の都合で解雇されるんだなということがよく分かります。

 こんなことに関心を持つのは、実は自分の息子の将来を考えているからです。一流大学を出ても一部の優秀な学生か特技を持った学生しか就職できない現実のの中で、 ではどうすればいいのか、となると?です。

 私は息子に、もう日本だけを見ていてもまともな就職は出来ないから、世界に目をむけろと言っています。そのためにも語学の習得、それも実践的な語学の習得が必要かなと思っています。

 さらに言えば、語学+自分の特技でしょうか。年末にバンコクに私は一人旅をしてきました。現在その旅行記を「バンコク 一人旅」というサイトでまとめていますが、バンコクではタイ語は話せませんので英語でコミュニケーションをとるしかありません。

 必然的に英語を使わざるを得ないという環境に身を置いて、視野を拡げたいなと思っていました。バンコク旅行でタクシーの運転手さんが言いました。若干のお世辞も含まれていると思いますが「あなたの英語はよく分かる。でも大半の日本人は英語をしゃべらないのでコミュニケーションできない」と言われました。

 日系企業の多くがタイに進出し、タイの若者を雇用しています。その技術指導に日本人も行っているはずですが、そこで英語がしゃべれなければ話しになりません。逆に英語が出来る技術者なら、すぐに就職できるとも言えそうです。

  
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