株価が上がっても生活は改善しない

平均寿命と老後のシミュレーション(2014.8.1)

 2013年の平均寿命が発表されました。男性は80.21歳で女性は86.61歳だそうで、ほんの少しですが記録更新です。特に男性が80代の大台にのったということがクローズアップされていますが、平均寿命の定義はその年に生まれた0歳児の寿命の平均を予測したものですから、私のようなシニア世代の寿命とは異なります

 しかしそうなるとそもそも0歳児の余命をどうやって予測しているのかということも気になります。また平均寿命を各国と較べた数字も出ていますが、これらの計算方法も同じ計算方法なのか気になるところですが、あまり突っ込んでもしょうがないかなとも思えます。

 それはそれとして、平均寿命が延びた原因は、新聞紙上では「がん」「心疾患」「脳血管疾患」の治療技術の向上と書かれていますが、新生児死亡率が低いことも一因ではないかなと思っています。

 一方我々シニアが気にしなければならない指標は、平均寿命ではなく60歳時点での平均余命だと思っています。これは一昨年度のデータですが、60歳男性の平均余命は22.84歳、女性の場合は28.37歳となっています。

 つまり現在61歳の私は、平均的に見るとあと22年ぐらい生きている可能性があると言うことです。

 ということは、老後の生活を考えるためにシミュレーションを行う場合、こういった寿命のことを考慮する必要がありますので、若干余裕を見て、自分の人生は85歳前後までと考えるのが良さそうです。

 ところが、こういった寿命の定義にはもう一つ指標があります。すでに何回も書いていますが、それが健康寿命。新聞紙上では平均寿命の伸びに焦点が置かれているようですが、シニアとしては健康寿命の方に関心を持った方がよいと私は思っています。

 健康寿命とは、「自立して生活が出来る寿命」というように定義されていますが、個人的には一人で旅行に行き、現地で動き回れる寿命と勝手に考えています。

 その年齢が、平成22年現在で男性70.42歳、女性73.62歳ですから、私の場合あと9年しかありません。その間、徐々に体力が失われていくのかなと思われますが、どのくらい失われるのかは、あまり想像がつきません。

 ただこういった数値は、一種の生活の節目と考えられますから、そのことを念頭に老後の家計のシミュレーションをする必要があるなと思っています。

 つまり私の場合は57歳:早期退職、60歳:一部の年金支給、62歳:非常勤講師の仕事をやめる(予定として考えています)、65歳:老齢年金支給開始、70歳:健康寿命、80歳:ゼロ歳児の平均寿命、83歳:60歳時点での平均余命、というようなステップです。

 こういった節目ごとに、家計環境が変わるので、その後のシミュレーションの数値も変化するなと思っています。当然家計費は今より徐々に減少すると予想していますが、気になるのは物価の値上がり

 今日の新聞にも8月からの乳製品の値上がりや電気料金の値上がりの記事が出ていました。大手企業のボーナスは増えたという記事もありましたが、実感として諸物価値上がりの締め付けが徐々に厳しくなっているように感じています。

 アベノミクスは分かりやすい指標として株価を気にしているようですが、株価が上がっても生活が改善しない方たちが大勢いると言うことを忘れているように見えてしまいます。


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