値上げの秋に耐えて、その後は生き残りゲーム?(2012.10.6)
今日の新聞の下の方に、週間ポストという雑誌の広告が出ていました。大きな見出しは『橋本・維新「大失速」の真相』というものですが、その数行左側に、「値上げニッポン」という見出しがあり、これが気になりました。
要するに、ガソリン、食料品、生命保険料、自動車保険料、公共料金等がじわじわ上がっているという話なんだと思いますが、先日もアメリカの干ばつでトウモロコシが不作になり、すでに食用油が値上げされたというニュースをテレビでやっていました。
しかしじわじわ上がりそうだとか、上がったという話は聞いていますが、具体的にいくらになったかということは、いろんな事がありすぎて、すぐに忘れてしまいます。
しかも食用油が上がったといっても、スーパーの価格はセールになったり通常価格になったり、変動が激しいので、なかなか上がったという実態が分からないようになっています。
保険料等も上がっているのかなと思いますが、これは1年更新なので、更新の月が来ないと実際に上がるのかどうなのかがよく分かりません。
そこで先日職場の同僚に、「ここのところ保険料はどのくらい上がっていますか?」と聞いてみたのですが、答は「分からない」でした。
その理由ですが、以前は給料日が来ると事務で給料明細書を受け取っていたのですが、最近は自分で明細書をダウンロードする形式になったらしく、そのため細かい内容を見なくなったと言っていました。
つまり通帳に現金は振り込まれるもの、その元になった明細をいちいちダウンロードして印刷するのは面倒なので、見なくなったと言うことです。
従って天引きされるような保険料は、少しずつ値上がりしても分からないということです。で、ある日、「なんだか手取りが最近減ったなあ」と思いついて明細を見てみますが、その月の明細だけでは比較の仕様がありません。
過去に遡っていくつかの明細をダウンロードして、ようやく保険料がじわりじわりと上がっているという実態に気がつく仕組みになっていて、それを意図してそのようなシステムを作ったのかどうかは不明ですが、結果としては実に巧妙だなと感じます。
結局、知らないうちにスーパーで高いものを買うようになり、知らないうちに給料からの天引き額が多くなり、知らないうちに給料そのものも減額していた、なんてこともあり得るわけで、生活が少しずつ息苦しくなっていくのは当たり前ですね。
まさに茹でガエルの世界に我々はどっぷり浸っているわけで、お湯の方はすでに適温の40度をとっくに通り越し、45度ぐらいになっているような気がします。
我慢強い日本人は湯船から飛び出すこともせず、もう火をとめてくれと叫ぶわけでもなく、熱い湯の中で身を縮こまらせて、じっと堪え忍んでいるというイメージがあります。
それでも体力のない人は徐々に健康被害を受けていくわけで、今はそれが期せずしてフリーターやホームレスにならざるを得なかった人や、孤独な高齢者に集中しているような気がします。
しかし今後はその範囲が少しずつ拡大するようにも思え、なんだか国民全体で生き残りゲームをやっているような気すらします。