見かけの株価上昇
物品の値上げは家計を直撃

値上げは目白押し、収入は漸減(2013.3.30)

 今日の新聞第一面には、東証株価が12000円台で新年度入りをしたという記事が出ています。経済実態はほとんど変わっていないのに、なんとなく少し良くなりそうだという期待感でここまで上げてきました。

 私がかつて所持していたわずかな額の投資信託も、今ようやく買値ぐらいに戻ってきてほっとしていますが、実際に売却して利益が出るまでは儲かったとは言えないと思っています。

 つまり株価の上昇は売却によってお金を得るまでは、単なる数字上の上昇であって、実際に家計が潤っているわけではないということを肝に銘じないといけないなと思っています。

 ということは、もし利益が出ている株や投資信託等を持っているなら、いつ売るかというタイミングが問題ですね。

 株に関しては、一時期私でも儲けることが出来るのではないかと錯覚して、投資指南書をずいぶん読みましたが、それに寄れば「塩漬けは我慢できるけど、利益確保の誘惑は我慢できない」というのが投資家の特性だと言うことでした。

 つまり損にはじっと耐えることが出来るが、株価が上昇して買値の5%とか10%上がってくると、「また下がるかもしれない」という恐怖感により、つい早めに売却してしまうということのようです。

 確かに私自身の過去の投資歴を振り返ってみるとそうゆう傾向が強いようです。そこで指南書の中には、いわゆるプログラム売買と称して、下がれば損切り、上がれば売却というのを自動的に繰り返して儲けを得るという方法が書かれています。

 それをうまく実施できれば損失は減るのかなと思えますが、大きな利益を得られるかどうかは別問題です。個人的には統計学的に考えると、売買手数料分だけ損していくように思えます。

 ただ全体の株価が上昇するような時期にたまたま購入できれば(去年の12月ぐらい)、今はそれなりの見かけ上の利益が出ているだろうなとは思えます。

 というわけで、何となく景気が良くなりそう、という期待感で株価は上昇しましたが、一方で4月から様々な物品が現実に値上がりします。

 新聞に書かれている項目を見ると、小麦9.7%、油1kgあたり30円、テッシュペーパー、トイレットペーパー15%、鋼材12〜18%、一部の電力会社の電気料金11.9〜17.2%、車の自賠責保険2890円アップ、ツナ缶(シーチキン)2.2〜6.1%、パンやラーメンの強力粉25kgあたり145円、ガソリン価格は高止まり、その他ガス料金も上がる場合があるようです。

 しつこいようですが株価の上昇は売却するまでは数字上の出来事です。しかしこれらの値上げは現実の家計に響く数字です。確かに一部の大企業ではボーナスアップという動きも出ていますが、それが中小零細企業や派遣労働、パートタイマーまで波及するのは何年後になるのか。

 さらに年金に反映されるのは何年後か。一方で生活保護費の減額によって、様々な給付額も減額される動きがあります。

 本来なら手取額が増えて、物価が上がるのがいいわけですが、現実は常に逆です。特に生活弱者と言われる方々へのしわ寄せが今後ますます大きくなるんだろうなと思っています。


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