転ばぬ先の「家計簿」は絶対必要

2017.9.21

 安倍政権は、どうやら臨時国会冒頭で、いきなり解散をするみたいですね。自民党の支持率が上向いている傾向があり、解散権は首相にあるわけですから、戦略的に「今だ」と思ったのかもしれませんが、まあ唐突で身勝手だなという印象はぬぐえません。

 ましてやこれまで何か事あるごとに「今後は丁寧な説明を心掛けたい」と言いつつ、実際には言葉使いが丁寧になったこともありましたが、その内容は説明になっていない場合も多く、印象は非常に悪いです。

 一方仕事人内閣だか何だかわかりませんが、大見えを切って出発した新しい内閣は、ほとんど仕事らしい仕事をしないまま次の内閣に引き継がれそうで、これまた庶民の目先をごまかすためだけの実に不思議な組閣でした。

 というわけで野党だけでなく、与党の中からもいささか変じゃない?という疑問を呈する声があるようですが、このまま世論調査通りに事が進めば、またしても自民党が大勝しそうです。

 その原因となるのは、自民党のこういった無責任な政治運営に対する野党の結束の弱さでしょうか。民進党は蓮舫代表が交代後の混乱を引きずっているような気もしますし、新しい受け皿となりそうな「日本ファーストの会」も、まだその全貌は不明です。

 だからこそそういった状況を見透かして安倍総理が解散に踏み切る決断をしたということになりますが、野党の皆さんもはらわたが煮えくり返る思いをあじわっていると思われます。

 というわけで、そんな政治運営の在り方で良いのか?というのが今回の選挙で問われていることだと思うので、投票する側としては、本当の意味で人柄を選別して投票しないといけないんだろうなと感じています。

 そんな中、今日のネットのニュースでは70歳以上の自己破産が急増しているという記事がありました。マネーポストからの記事のようですが、それによれば自己破産者に占める70歳以上の割合が2005年は3.05%だったのが、2014年には8.63%になったそうです。

 もちろんこの間少子高齢化で70歳以上の人が増えている現実もありますが、その割合が2.8倍になっているというわけですから、かなりの急増と言えそうです。

 原因として書かれているのは「定年後の収入激減に対して、現役時代と同じ生活レベルを維持しようとして年金も貯蓄も使い果たした」そうですが、だとすればこれは自己責任と言えそうです。

 しかしそうはいってもこういった方が自己破産し、やがては生活保護ということになれば、さらに社会保障費が必要になりますから、そのしわ寄せは今一生懸命節約生活を続けている人達を直撃します。

 問題はどこにあるかと言えば、先ず現役時代と同じ生活レベルという部分にありそうです。確かに比較的多額の退職金をもらえば、人生に一度ぐらいと考えて、新車を買ったりする場合もあると思います。

 しかしそういった、「今だけ」「今回だけ」の支出を繰り返せば、その総額は大きなものになることは間違いありません。それを避けるために家計簿をつけ、将来の支出を予想する必要があると思われますが、ちょっと調べてみたら半数程度の人は家計簿をつけているみたいですね。

 しかし全くつけていない人が20〜25%いるみたいで、これは年齢層の上昇とともに増える傾向があるようです。まあ年を取っていまさら家計簿をつけても・・・という気持ちも分かりますが、私自身早期退職直前の2009年から家計簿をつけ始め、すでに8年が経過しています。

 この間の数字の動きは表計算ソフトでまとめていますが、データが増えるに連れ、将来の予測もしっかりと行えるようになったと思っています。

 自己破産に至らなくても、毎日毎年「厳しいなあ」と思いつつ暮らしている方も大勢いると思います。そんな人たちこそ家計簿は必須です。何より家計簿をつけるだけなら無料です。転ばぬ先の杖ではなく家計簿だと思います。


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