災害教育は体験が大事です

台風接近にともなって考えたこと(2013.9.16)

 深夜から雨が降り出し、明け方からは風。6時に目が醒めテレビをつけると、熊谷市で突風というニュースが。慌ててあちこちの窓を点検。朝食後にすべての窓を閉めました。ちょっと蒸し暑く感じられますが、突風が家の中に吹き込むことが避けられればと思っています。

 関東地方に、あまり勢力の衰えない台風がほぼ直撃コースでやってくるのは、記憶にはほとんどありません。いつもは西日本のどこかに上陸し、関東に来る頃には勢力が弱まり、大量の雨を降らしながらも、あっと言う間に去ってゆく、というパターンが多かったように思います。

 そのためでしょうか?やはり危機意識が欠如していますね。先日は越谷で竜巻が起き、ちょっと「これは深刻だな」と思いましたが、結局「竜巻の場合、被害にあうのは確率の問題だから、なかなか対処できないな」と自分で勝手に理屈をつけて、何もしていません。

 今回の台風も、昨日から関東に来ることが分かっていながら、買い物こそ2日分の食品を買いましたが、家の周囲で風で飛んでいきやすいものがあっても、特に何の手当てもしませんでした。

 おかげで駐車場に置いてある自転車カバーがはずれ、買い物用のクロスバイクが雨でずぶ濡れ。先ほどカバーをかけ直しましたが、すぐに風でめくれてしまいます。昨日中に玄関にでも入れておけば良かったと悔やんでいます。

 というわけで、要するに災害に対する危機意識というのは、実際に遭遇した経験があれば培われると思いますが、いきなりテレビで大雨が降るとか、川の氾濫が予想されるとか、突風・竜巻が起きるかもしれない、と言われても、それを実感として捉えるのは難しいようです。

 かつてフルタイムの仕事をしていたとき、学校現場では毎学期末に1回ずつ避難訓練を行っていましたが、8時にサイレンが鳴るので、それから避難行動に移りますという方法なので、まったく緊迫感がなく、単に教室を揃って出てグラウンドに集まり、消防署や担当職員の話、校長の話を聞いてお終い、と言う形式的なことが多く、災害教育は難しいなと感じていました。

 実際大きな火事や地震等が起きたときは、とてもじゃないけどこんなダラダラした雰囲気でグラウンドに集まることはないだろうなあと毎回感じていましたが、まあ、やらないよりはいいだろう、みたいな雰囲気もあったと思います。

 ただしちょっとしたイベントとして、消火器の扱い方(私もやってみました。役に立ちました)、煙体験、3階から脱出シュートで滑り降りる(私は怖くて出来ませんでした)は印象に残っています。

 またこれは学校ではありませんが、我が家から50mぐらいのところで不審火があり、家屋が燃え上がったことがあります。家が燃えるというのはどのくらい恐ろしいものかがよく分かりました。

 深夜のことで近所の人が「火事だ」と言って起こしてくれたのですが、眠っていたので頭は朦朧。何をしていいか瞬時に判断できず、着替えすら何を着たらよいか分からないという、軽いパニックと焦りを感じました。

 いざとなると、「何をしたらよいか分からない。優先順位が判断できない」ようになってしまうんだなということを知る良い機会になりました。今日の台風通過でこれ以上大きな被害がでないよう願っています。
 
   
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