何が起きてもおかしくない気象条件

フィリピンの台風災害から学べること(2013.11.13)

 今回のフィリピンへの大型台風直撃による災害は、もともとコンクリートで出来た建物が少なく、また沿岸に住宅が建ち並ばざるを得ないフィリピンという国の実情のため、被害が予想以上に大きくなっているように思われます。

 高潮で流された家屋の惨状を見て、多くの人が東日本大震災を思い出されたことと思います。

 テレビや新聞の報道で分かってきたことは、そもそも気圧がひじょうに低い勢力の強い台風だったため、海面がストローでジュースを飲むときのように上方に吸い上げられたこと。

 ちょうど新月を過ぎて半月に向かう頃で、潮の干満の差が激しくなっていたこと。そこへ持ってきて猛烈な風が海側から陸側に向かって吹いたこと。そしてテレビの報道を眺めていて分かったのですが、大きな被害を受けた街がV字型に切れ込んだ入り江の一番奥にあったこと。

 こういった複数の原因が重なり、2階建ての屋根付近まで届くような高潮(ここまで来ると津波と変わらないと思いますが)が押し寄せたんだろうと推測しています。

 私自身がこの巨大な台風に気がついたのは、もう一つのハワイのブログで、旅行関連のニュースを読んでいたときです。ハワイのネット新聞です。

 この頃外務省はすでに渡航の注意喚起を行っていましたが、日本の報道ではそういった注意喚起はほとんどなかったように思います。

 従って現地で日本のニュースを見ていたとしても、台風の勢力や大きさ等について正確な情報は得られていなかったのかなと思います。

 その意味では、日本のメディア各社も、後になって被害の大きさを報道する前に、もっと事前に危険性を警告すべきだったのではと思われます。

 特に現地在住の方はもちろん、テレビ等の報道では、定年退職後フィリピンに移住していた方で被害に遭われた方が多かったということを聞いて、「なんてことだ」という感想を強く持ちました。

 今年の夏は、日本にも台風が何回も上陸しました。いつもは台風といっても他人事のような話で聞き過ごしていましたが、その内の何個かは私が住んでいる埼玉県をかすめていきました。

 今回の台風も、発生原因は海水温の上昇だと思いますので、来年も大きくて勢力の強い台風が発生する可能性は充分あり、今回はたまたま時期的に発生が遅かったのでフィリピンに向かいましたが、同じような勢力を持った台風がもっと早期に発生すれば、日本付近を直撃する可能性もあります。

 あんな暴風雨が来たら我が家は耐えられるのか?窓ガラスが簡単に割れてしまうような風で、例え雨戸を閉めていたとしても、家全体が傾かないのか?真剣に考えないといけないなと思うようになりました。

 同時にそんな風が首都圏を直撃したとき、交通網はマヒしないのか?マヒしたらどうするのか?そして危ういところで均衡を保っている福島第一原発は大丈夫なのか?

 私一人が心配してもしょうがないことですが、地震だけでなく大型台風にも気を配らなくてはいけない世界になったんだなと言うことがよく分かります。
   
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