納付率を見ると
破綻と言われてもしょうがないです

国民年金に将来はあるのか(2012.8.15)

 昨日の毎日新聞第1面の記事は年金の将来 信じない」(支払い超過の20代というもので、なるほどなあと思うと共に、ではこの先どうなるんだろうと考え込んでしまいました。

 先ず現状ですが2011年度の国民年金保険料の納付率は58.6%だそうで、その中で特に25〜29歳では46.1%しか納めていないようです。(新聞には納めていないと書かれていますが、このところの社会の現状を見ていると納めたくても納められない人もいるのだと思います)

 一方国民年金の運営は納付率を80%としているようですから、低迷が続けば(続くと思いますが)維持が難しくなる、と書かれていて、先行きの不透明感がかなり出てきました。

 そこであらためて、厚労省の統計資料である「平成23年度の国民年金の加入・保険料納付状況」により、その内容を詳しく見てみました。

 先ず概要ですが、人口減少に伴って保険料を納付しなければならない人数は減少しています。ところが保険料納付免除者は逆に少しずつ増えています

 その下にグラフがあるのですが、納付率は今からちょうど20年ぐらい前の平成4年が納付率のピークで85.7%となっています。

 今から20年前を西暦で考えると1992年でバブルが崩壊し、その後の影響が出始めた頃です。景気が悪くなると共に納付率が下降。さらに不信感が広がったという悪循環のように思えます。

 さらに年齢別の納付率を見ると25〜29歳が一番低く、55〜59歳がもっとも高い72.58%となっています。しかし高いと言っても70%代ですから、一時期の85.7%にはまったく及びません。

 しかもこの55〜59歳の層から25〜29歳の層に向かって納付率はほぼ一直線に下降していますから、今後50代の方が年金生活に入れば入るほど納付率が下がることがはっきり分かります。

 厚労省としてもこの状況を何とかしようと努力はしているのだと思いますが、正直なところ現状は厳しい、と言うのが一般的な見方になるのではないでしょうか?

 新聞記事では、年金は信用できないから、その分を自分で積み立てて運用するという事が書かれていました。私が若かったら、運用するかどうかはともかく、貯金に回したいと考えたと思います。

 新聞のグラフを見るとすでに私の世代でも支払い超過になりつつあると言うことのようで、実際にいくら損したのかは分かりませんが、これを若者が見たら払うだけ無駄だと思うのは当然だと思います。

 一方これから年金をもらう世代としては、もし今後新聞記事にあるように、制度自体の基盤が揺らぐようなら、正直なところ少しでも早くもらわないと損だなと感じてしまいます。(逃げ得と言われかねませんが)

 ただこういった考え方は、自分の年金を自分で作るという考え方であり、高齢者の生活費を若者が支えるという国民年金本来の考え方とはかけ離れたものです。この部分の発想が政治家と国民の間で異なっていることが大きな問題だと思います。 


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