新年金案では
低所得者の年金が増える?

民主党が新しい年金制度案を提示(2012.9.8)

 民主党は6日に新年金制度について、その原案を発表しました。全部で4案ありますが、基本的には低所得者の年金額を増やす一方、高所得者にはこれまでより負担を増やすという方針のようです。

 しかしこういった制度をあらたに作るためには、その裏付けとなる財源が必要なわけですが、そのために消費税はさらに最低6.2%上げなくてはいけないみたいです。

 しかもこういった資産の裏付けとなった賃金上昇率は2.5%、運用利回りは4.1%だそうで、現時点ではまったく実現不可能な数値を算出基準にしています。

 ということは、今後総選挙でこういった政策を鵜呑みにした有権者が民主党に投票して、民主党が政権をとったとしても、3年後ぐらいには早くも年金制度の見通しにはほころびが生じることになりそうです。

 まあそれでも何も考えないよりは、たたき台としての原案を提示する勇気があっただけでも、現時点ではまだいいのかもしれません。

 それにしても、この年金制度、調べれば調べるほど不安になってきますね。「いずれ破綻する」という言い方がネット上に満ちあふれていて、私自身もそのように感じるところが多いのですが、その根拠を明確に示せと言われると、少子高齢化で負担率が増えている現状を見れば明らかだと言うしかありません。そこで、今回もう少し踏み込んでみようかなと考えてみました。

 ただし難しいことは分からないので、結構適当です。厚労相のページに年金財政ホームページというのがあって、ここに国民年金の総額の経年変化が出ていました。

 この数字の増加率を見るだけでも恐ろしくなりますが、平成19年の年金支給総額はおよそ17兆円です。ここ5年間の増加率は毎年5%程度です。と言うことは平成20年は18兆円、21年は19兆円と毎年1兆円ずつ増えていくことになります。

 ただ全体の流れを見てみると、増加率は少しずつ鈍っていますので、5年後ぐらいの増加率は3%ぐらいになっているかもしれません。

 従って当面、毎年1兆円ずつ増加するとすれば平成20年から30年まではだいたい18兆円から28兆円ぐらいに増えるのかなと言う印象です。(お気楽に考えていますから、かなりいい加減です。でその総額は253兆円 です。

 一方現在の年金原資は150兆円ぐらいではないかという記述をネット上で見かけました。ところがよくよく調べてみると、これは厚生年金原資も含んだ数字のようで、国民年金の原資は10兆円ぐらいしかないという記述も見かけてさらにびっくり。これでは年金破綻と言われるのは当たり前です。(この数字の根拠はあまり良くわかりません)

 ただ毎年国民年金の徴収が行われていますから、そんなすぐには破綻しないようにも思えます。現在の納付率は65%ぐらい?対象者は6900万人。一ヶ月は15000円。とすると総額8兆円ぐらい。

 税金を8兆円ぐらい投入してなんとか制度を維持?それとも投入税金額は100%支払いがあったとして考えて12兆円ぐらい?そうすると20兆円になりますから、見かけ上制度は維持出来そう?

 よく分かりません。分からない理由は今一体いくら残っているのかというのが不明だからです。自民党や民主党が増税を急ぐ理由は、政権ですから当然年金原資の残額も把握しているはずで、破綻回避のために必死なのかなと勘ぐってしまいます。 
  
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