希望すれば75歳から受給?

年金の繰り下げ受給開始年齢(2014.5.12)

 今日の朝刊で田村厚労相が、年金受給開始年齢を現行の70歳まで繰り下げられる制度を75歳にする案を検討する記事が出ていました。

 現状の年金制度は、65歳からが標準的な受給開始年齢ですが、家計の都合によりその開始時期を早めたり遅くしたりすることが出来ます。

 ただし早める場合はペナルティ?として、一ヶ月につき0.5%が減額されるので、1年なら6%受給額が減ります。65歳が基準ですから、5年前の60歳から受給すればなんと30%の減額となります。

 現在の老齢年金は年80万円弱ぐらいですから、もし60歳からこれを受給しようとすれば80万の7割、約56万弱に減ることになります。

 それが嫌なら、65歳まではがんばって働きなさい、というのが今の年金制度ですが、つくづく病気がちの人には過酷な制度だなと思われます。

 一方60歳や65歳になっても元気いっぱいで、なおかつ十分な収入の道が確保されている方もいるわけですから、その方たちにとっては、わざわざ65歳から年金を貰う必要はないので、その場合は繰り下げを希望することが出来ます。

 このとき、繰上げは減額されますが、当然繰り下げは反対に増額されることになります。増額率は一ヶ月あたり0.7%。従って年間で8.4%。

 ということは必死に働いて、70歳まで年金受給を我慢できれば、42%増しの110万強になります。ただし他の年金の受給との関係もあり、簡単には繰り下げ出来ないような記述が日本年金機構のページに書かれています。

 この繰り下げの下限である70歳を75歳に出来ないかというのが今回の新聞記事の趣旨になるわけですが、受給開始年齢を、いきなり67歳とかに下げるよりは反発は少ないだろうと考えているようです。

 しかし問題は自分の寿命を予想することは出来ない、と言う部分です。基本的には平均寿命(男性約80歳、女性約87歳)で考えるのだと思いますが、私は最近それより健康寿命(男性71歳、女性約74歳)を意識すべきだなと思っています。

 つまり体が動きにくくなった状態では、お金の消費額は医療費を除いてかなり減るはずだから、動けるときにお金を早めにもらって、そのお金で自分自身の健康維持に努めたほうが良いのではないかと言う考えです。

 実際繰り上げ受給の総額と通常受給の総額が一致する年齢(損益分岐)は、60歳からの繰上げで76歳、62歳で78歳、64歳で平均寿命の80歳になりますので、体力のない私の場合は来年あたりから非常勤講師をやめて老齢年金の繰り上げ受給をしようかなとまじめに考えています。

 なお繰り上げ受給を考える場合は、減額以外のデメリットもあるようですから、慎重に判断しなくてはいけないことは確かです。ただ繰り下げと言うのは現状では絶対ありえない選択肢だなと思っています。

  
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