急に制度を変更すると言われても

年金を毎年1.1%ずつ減額という暴挙(2014.10.16)

 気分の落ち込みは気象の影響もあるかもしれませんね。台風が近づき気圧が急激に下がると体調不良を感じる人が多いと聞いています。気圧が下がりきってしまえば落ち着くそうです。 

 これもご先祖様が狩に出かけようとしたとき、気圧が下がってくると天候が荒れるため、出かけるのを控えようとして体のリズムを少し抑え気味にするという遺伝子が組み込まれているのではとも思えてしまいます。

 実際台風が通過して朝起きてカーテンを開けたとき、太陽と青空が見えていると、何となく気分も爽快です。今日の朝は冷え込みましたが、天気は良さそう。すでに青空になっていますので、またお気楽な気分が復活しそうです。
 
 そう思って、郵便受けから新聞を取り出して読んでみると、そういった気分に水を差す記事が今日はやけに多い。毎日新聞朝刊ですが、1面には経済産業省の小渕優子大臣が政治資金から親族の店に362万円を支出なんていう見出しが出ていてがっくり。

 私はもともと自民党を支持しているわけではありませんが、若い女性閣僚として多少斬新な考え方が出来る人なのかなと思っていただけに、「やっぱりあなたもか」という不信を感じます。
 
 しかしこの記事だけなら、腹は立ちますが所詮自分とは少し遠い世界の出来事です。しかし、2面を見ると一気に血の気が引きました。先ず目に付いたのが「年金減額 前倒しへ」という見出し。

 どうやら年金の引き下げを、物価の上昇下降にとらわれることなく、毎年常に1.1%ずつ下げて行くという方針に変わりそうです。つまり物価が2%上がっても年金は0.9%しか上がらない。もしデフレで物価が1%下がったら、年金は2.1%下げるということのようです。

 という事は、今後物価がまったく変化しない場合でも、毎年年金だけは1.1%ずつ下がっていくと言う事です。こんなことが10年ぐらい続いたら、今現在で年金が20万円もらえている人でも、毎年手取り額は減っていき10年後は18万弱、20年後は16万円に減ってしまいます。

 政府はマクロスライドの適用という、まことしやかな理屈で説明していますが、私から見れば単なる理屈であって、庶民の生活実態を考えているとは思えません。こんなことを言って理屈付けをしないといけないほど年金財政が苦しいという証拠だと思っています。

 また記事後半には公的年金者への課税も強化されると書いてありますから、収入が減り税金が増えるという構造です。

 さらにしつこいようですが、その記事のすぐ隣には後期医療の特例を廃止、なんていう記事もあり、医療費が上がることがほのめかされています。ということは長寿長寿と騒いでも、医者にもかかれない方が出てくる可能性があるということです。

 これまでやってきた年金運営の責任をあいまいにして少子高齢化対策をほとんどしてこなかったツケが、長寿大国と言われて単純に喜んでいた高齢者に回ってきたというように思えてしょうがないのですが、よく考えるとこれから年金生活にはいる人にも大きな影響が出そうです。

 しかし不満を言っているだけではしょうがないです。自分の意思表示はこういったブログに書くことと選挙でしか表明できませんから、次回の国政選挙がこういったことを争点にして盛り上がることを期待します。

 一方そういった意思表示をしても現実に年金の原資が目減りして破綻寸前であり、実際にもらえる額は徐々に減るわけですから、その先は自助努力で何とかしないといけません。

 しかし、いつも思うことですが、20年30年先にそういった制度の変更があると分かっていれば準備も出来ますが、すでにこれまでの制度で将来計画を考えていた年代にとっては寝耳に水で対応が難しいです。

  
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