情報漏れても責任はとらない?

日本年金機構の情報漏れと不信感(2015.6.17)

 ベネッセのときにも感じたのですが、年金機構からの情報漏れは、聞けば聞くほどずさんな管理体制だったなという印象が増します。

 ベネッセの場合は、お詫びの手紙と共に500円の図書カード?だったかが送付されてきたように思います。その後幸か不幸か我が家の息子宛てに届いた怪しい封書は某予備校からの案内。

 しかも年度を間違えて、私の息子がすでに大学生なのに夏期講習の案内だったので、まあ送る方も送る方です。たぶんコピーにコピーを重ねた一部の情報が流れたのかなと推測しています。

 一方年金機構の場合は、組織内に属している個々の人は日々真面目に働いているのだと思われますが、組織全体の危機意識が薄いなという印象を強く受けます。

 今日の新聞では標的型メールを想定した模擬訓練をやっていなかったという記事が出ていますが、なんとも情けない話しです。韓国のMERS感染で「初期対応がまずかった」と批判する人もいますが、初期対応のまずさについては同レベルだと感じます。

 しかも他の官庁で似たような事件がおきていたのに、なんら対策をしていなかったわけですから、初期対応にも該当しません。

 一方、この情報漏れによって、個人が何らかの被害を受けた場合でも、今のところ補償をする気はないそうですが、これもちょっと納得できません。

 つまりミスをしても本体の責任はうやむや。何らかの被害を受けた人がいたらそれは自己責任ということです。もちろん場合にもよると思いますが、受給者側にまったく落ち度が無いのに、ある日突然受給ができなくなるといった可能性は否定できません。

 実は年金支給日の15日に私はスーパーで買い物をしていましたが、ATMコーナーは長蛇の列でした。「何でこんなに多いんだ?」と不思議に思いつつ通り過ぎたのですが、後で年金支給日と気がつきました。やはり多くの人が情報漏れに対して神経質になっているのだと思います。

 というわけで私も口座を確かめてみましたが、ちゃんと振り込まれていました。しかも一部減額された額です。

 セキュリティは甘いし、もれた情報で被害を受けても補償はないし、さらに減額というのでは、個々の事象は異なるものの、全体としての年金への不信感は増すばかりです。

 私の年代は今まさに受給している世代ですから、もらう立場としてあまり反発はしたくないのですが、これから受給する人から信頼を得られなくなったらどうするんでしょうか?


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