月20万の収入でそこそこの生活を確保

2017.9.22

 朝晩がずいぶん涼しくなりました。青空がたまにしか望めないのが不満ですが、猛暑や豪雨よりはずっといいです。結局何事も比較の問題ですね。

 上を見ればきりがないし、下を見てもきりがあるようには見えません。自分の立ち位置がどの辺にあって、その位置が自分で満足できるのかどうか、ということがポイント?

 リタイヤ後でも年収は1000万以上ある人もいるのだと思いますが、反面国民年金+アルファの100万ぐらいで生活している人もいると思います。

 そんな中で、豊かな生活には月30万と書いている経済雑誌は、それが統計的な数値であるにせよ、実に罪作りな内容だなと思っています。

 月30万の収入が得られない場合、まるで豊かな生活が保障されないかのような書き方をしていることが多いですが、月5万で生活しろと言われたらさすがに厳しいものの、20万もあればまずまずの生活がおくれるのではという気もします。

 一方年金その他の収入が15万しかないのに、20万の生活をしていれば、当然ながら資産は毎月5万ずつ減っていきますから、年間なら60万。20年で1200万が不足するという大きな値になります。

 以前は人生の区切りを85歳として、老後20年間という論調が多かったのに、最近は平均寿命が延びているというニュースもあるせいか、長寿リスクとして人生100歳までのマネープランを考える経済雑誌も増えているようです。

 しかしこれまた、「資産が減るぞ。足りなくなるぞ」という脅しを行い、不安だけを煽っているような気もします。確かに先行きは不透明ですが、そもそも80歳を越して、60代と同じような消費支出が必要だとは思えません。

 私自身60歳を越してから、食べる量が明らかに減っています。アルコールも病気の関係で飲まなくなりました。衣料品も必要なもの以外滅多に買いません。

 幸いなことに医療費は、昨年大病をして大きな支出がありましたが、それ以外の点では落ち着いています。ただしこれは今だけで、80歳を越えれば自分の母親を見ているとよく分かりますが、薬の量が増えそうです。

 それでも現役時代に比べると、欲しいものは少しずつ減り、悲しいことですがやれることも限られ、行動範囲も狭くなり、食生活も必要な範囲で縮小と考えると、今よりもさらに消費支出が増えることはなさそうだなと思えます。

 というわけで、経済雑誌の月30万で100歳まで生きたら足りない老後資金は〇千万という記事は、単にセンセーショナルな話題を提供しているにすぎないなと私は見ています。

 逆に言えば、こういう記事が出るということは、これだけの収入を確保できるという人はほとんどいないということを意味しているのではという気もします。

 ただし当然ながら世の中にはそれだけの収入を確保できる恵まれた方もいると思いますが、その人たちにはその人達の人生観があると思います。

 与えられた環境の中で最大限の努力をするというのは大事だと思いますが、努力をしても実現が難しいなら考え方を変えて支出を減らしても豊かな人生が送れるような努力をすべきなのかなと思います。

 その場合のポイントはやはり健康、家計、生きがい(人とのコミュニケーション)かなという気がします。


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