早期退職後に支出するお金の総額

早期退職をするときの必要貯蓄額(2013.7.23)

 先日ここにまとめた内容をもとに、新たに早期退職者を希望している方に向けて、私の体験談を交えたホームページを作っているとお知らせしましたが、そこで早期退職後25年間で、生活するお金以外にいったいいくらぐらい必要かということを、ようやくまとめ終えました。

 「早期退職者の生活設計」というサイトですが、その結果を見て、私自身もちょっと不安になりました。結論から言えば、早期退職後25年間生活を続けたとして、いわゆる日常の消費支出以外の税金や保険、さらに車の買い換えや維持費教育費、今後予想される医療費、そして遊興費と考えてすべて加算していくと、ほとんど何もしない状態でも1000万、様々なことを経験すると最大で7000万ぐらい必要であると言うことが分かりました。

 実際にはこれに年間の消費支出(単に生活するだけ)が150〜200万かかりますから、25年なら3750万から5000万。ということは、退職後25年で生涯を閉じると考えた場合、最低でも4750万、すべてに満足できるような豊かな生活の場合1億2000万必要であるという結果です。

 もちろん、この最高額は車を買い換え、介護施設も利用し、遊興費も十分確保するという、ちょっと矛盾した過程に基づいていますから、実際の平均必要額は7000〜8000万程度かなと思われます。

 そこで次にこれだけの収入が退職後得られるかどうかということが問題になります。退職時に8000万の貯金があれば、それをすべて消費して生涯を閉じることが出来、その場合年金という収入は資産になりそうですが、普通はそんな貯金額を持っている人はほとんどいないように思えます。

 では年金は総額でいくらぐらいになるのか?55歳で早期退職しても年金をもらえるのは65歳から、と言うのがこれからの若い世代の方の制度です。

 55歳で早期退職をして、25年間生活すると仮定しても、この間年金を受給できるのは65歳からの15年間です。この間に厚生年金と老齢年金をあわせて、仮に月20万もらえたとすると、年金の総受給額は20×12×15=3600万です。

 次に55歳で早期退職後、何とか再就職できたとして、その年収が300万だったとします。これが65歳まで続くかどうかは分かりませんが、仮に続いたとすると300×10=3000万。

 上記の年金と併せて6600万。なんとか生活は維持できる水準です。もし早期退職時に退職金をもらうことが出来、住宅ローンの残債を差し引いても預貯金が1000万程度残っていれば、総額は7600万となりまずまずの生活が維持できそうです。

 ただしこの計算で一番大きな問題は55歳以降再就職出来るかということと、その後10年間での総収入が3000万に達するかどうかと言うことだと思います。

 特に60歳以降の収入が厳しくなることが予想されます。(退職時に3000万程度の預貯金があれば、かなり楽な生活を維持できるという計算にもなります)

 だからどうすればいい、というプランは私は持ち合わせていないのですが、先ずはこういった現状把握のシミュレーションを自分で繰り返し行って、それで何とか行けそうだと思えば、早期退職をしてもそれほど苦労せずに人生を全うすることが出来ると思っています。

 早期退職の理由は人それぞれで、そんなシミュレーションをしている精神状態ではないという人もいるかもしれませんが、退職後の人生について展望を持っていないと、最後の決断にはなかなか踏み切れないような気がします。


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