早期退職決断の条件

65歳時点までの資産の動きを把握する(2014.6.15)

 57歳で早期退職をしようと決断する頃、一番心配だったのが当然家計です。実際にはその半年ぐらい前から家計簿をつけ、月々の支出がどのくらいあるかを計算していました。

 また同時に年間の税金や保険料といった、通常の家計支出には表れてこないお金がいくらぐらいになるのか、請求書や領収書を保管して、実態把握に努めました。

 一方で最悪、自分の健康状態が優れず、早期退職直前の自律神経失調症症状が続くようなら、場合によっては3年間無職という状態になるなとも思っていました。

 そうなった場合生きていけるかというのが、将来計画のシミュレーションを作り始めた動機の一つですが、当時の感覚では、フルタイム時の生活費から予想すると、年間数百万ぐらいの支出になる可能性があるなと思っていました。

 つまりまったく仕事がなければ、毎年数百万のお金が3年間必要になるということです。さらに60歳以降は幸いにも一部の年金が支給される最後の年齢でしたが、年金だけでは到底その額には足りないことも分かっていました。

 ただし60歳から65歳にかけて息子が大学を卒業し就職する可能性があるので、65歳になる頃には生活費はかなり減少し、また老齢年金も支給されるので、収支が落ち着いてくるのではというシミュレーション結果も参考に考えていました。

 ということは、もっとも悲惨な、まったく仕事が出来ないというパターンになったとき、60歳ぐらいまでの生活費と、60歳から65歳ぐらいまでに必要な年金以外の生活費がさらに数百万必要になるということです。

 実際にはこれに息子の学費(私立理系なので通学費等も含めて)700万ぐらい。さらに建ててから20年になる頃には自宅のリフォームが必要だし、場合によっては通院のための車の買い替え費用も必要だなと思っていましたので、それらをすべて合計すると、最低で何千万という金額になります。

 問題は、そのお金が早期退職時に用意できるかということが、早期退職を家計面で考えたときのポイントですそこで、早期退職時に貯まっているであろう貯金と、住宅ローンを一括返済した後の退職金を合計したところ、まあ何とかこの程度のお金が用意できる可能性があったということになります。

 それでも臨時支出があれば、家の売却も視野に入れていました。そういった背景があって、早期退職に踏み切ったわけですから、要するに何もしなければ65歳時点で資産はほぼゼロになる可能性が大きかったです。

 というわけで、早期退職後は先ず支出を減らすということを念頭に置き、食費や公共料金の無駄をどんどん削っていきました。結局無駄を削るということは、将来ほぼゼロに近かった資産が、プラスになるということです。

 また幸いにも公的な支援や非常勤講師の収入もあり、これがすべて当初の65歳時点で資産ゼロという収支を増やす方向に働いています。

 つまり当初65歳時点で何もしなければ資産はゼロだったけと、毎年20万を節約して57歳から60歳までの3年間を過ごせば、65歳時点で資産が60万増えているという発想です。

 同様に60歳までの3年間、非常勤講師で毎年100万ぐらいでも稼ぐことが出来れば、これもまた65歳時点で資産が300万増えているということになります。

 さらに公的な支援や、ネットを使った副収入といった金額もあり、現状の収支は相変わらず赤字で資産は減り続けていますが、その減少率はかなり緩やかで、65歳のころに余裕が出そうだという感触が得られたため、若干ですが株式投資等を再び始めたということです。


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