年間200万円の赤字?

人生の最後に介護付き有料老人ホームを利用する場合の費用(2015.9.22)

 自分自身に介護が必要になって、最後を迎える場合、自宅で迎えられれば経済的には最も安いように思えます。逆に一人暮らしをしていて、徐々に体が弱りいわゆる介護付有料老人ホームに入所する場合、いくらぐらいかかるのかを知っておくのも良いような気がします。

 一時期はこの手の有料老人ホームの初期費用は1000万ぐらいかかるということでしたが、(単なる私の思い込みだったかもしれません)今はずいぶん安くなっているようです。

 実際問題いくらぐらいかかるのかということを調べるためにネットで検索してみたら「HOME’S 介護」というサイトが出てきたので、今これを見ながら書いているのですが、ここには先ず必要経費の概略が書かれていました。

 さらに地域別の施設を、さまざまな条件で検索できるページがあるので、我が家の近くのこういった入所施設の費用が具体的にいくらぐらいなのか調べてみることにしました。

 先ず埼玉県の介護付き有料老人ホームというものを検索すると、要支援、要介護という条件で204施設がありました。次に入居時の一時金費用を500万円以内としてみると、これが197件に減少。

 とはいうものの、まだまだたくさんあります。つまりこれ以上高くすると入所してもらえないという施設側の事情もあるのではと思います。

 そこでもう一声、たたき売りみたいですが、300万円以内ならどうかとみると、まだ192件もあってびっくり。なんだ入所するだけなら意外に安いのかもと調子に乗って100万以内としてみると178件。だいぶ昔のイメージと違っているのでびっくりです。

 次に月額費用です。こちらの方が入所期間が長ければじわじわと効いてきます。先ず自分の年金額+αというちょっと贅沢な金額を考えて、入所一時金100万以内、月額25万以内という設定で検索すると163件。

 もう少し下げられそう。月額だけを20万以内としてみると、120件。さすがに減少率が大きくなりましたので、やはり月額費用は20〜25万ぐらいと考えるとよさそうです。

 もちろんさらに安い施設もあるのだろうと思いますが、当然生活環境や職員の労働環境も悪化し、最終的には高齢者への虐待と言うことも考えられますから、月額20万という線はギリギリかなという気がします。

 では入所一時金100〜300万円として、この20万円で3年間生活した場合いくらかかるか。仮に一時金を200万とすると、200+20×12×3という式になりますので、結果は920万。

 次に一人暮らしの年金平均額を調べてみると、ここの所徐々に減少していて10.4万ぐらいという統計がありました。

 とすると3年間で375万ぐらいの収入があると言うことで、それまで住んでいた家の経費を別にして、年金収入のすべてを有料老人ホームの費用にあてていくと920−375=545万円という金額が不足します。

 ということは、入所時に一時金を支払ったあと545万円ぐらいの貯蓄が無いと、3年間の老人ホームでの生活費が足りなくなるということです。

 当然ながら、3年を越して入所することになれば毎年180万ぐらいの負担が生じることになります。大変厳しい結果ですが、こういったことが60代で分かっていれば、何とか対処のしようがありそうです。しかし要介護になってからでは遅すぎると言うことだと思います。


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