10年固定住宅ローン金利が過去最低を更新(2016.3.1)
今日の朝刊に「大手5行 過去最低」「10年固定 住宅ローン金利」という見出しが出ています。3月に適用する住宅ローンの最優遇金利を0.90%から0.80%に引き下げるというものです。
これから住宅購入を考えている人にとっては朗報だとも思えますが、金利が低くなったから、即住宅購入と考えるのも早計なような気がします。
マスコミは、住宅購入者には朗報という書き方をしていますが、確かにお金を借りるという観点だけから見れば朗報かもしれません。
しかし現在の少子高齢化社会を長期的に見た場合、土地や住宅は今後どんどん余るということになりそうです。ということは、土地の価格も住宅の価格も基本的に購入者数が減るので下がり続けるということになりそうです。
もちろん外国人が気軽に購入できるというような法改正をすれば、風光明媚な日本の土地はかなりの確率で中国当たりのお金持ちが買うような気もしますが、そう簡単に現状は変わらないような気もします。
実際私が今住んでいる一軒家の土地価格も、購入後毎年下落を続け、もしかすると土地代は当初の購入価格の3分の1程度になっているのではと思われます。
住宅ローンの支払いは終わっているので、これについては先見の明がなかったということと、家族とともに1軒家に住みたいという気持ちがあったので、購入時期の選択はやむを得なかったと諦めていますが、もう少し待っていればという若干の悔いもあります。
ただ今この家で生活していると、毎月支払う家賃が必要ない、というメリットは老後の生活にとって大きいなと思っています。例えば同程度の新築1軒家を借家で借りて、仮に月15万ずつの家賃を払う必要があったら、1年で180万必要です。
この家を建てたのは今から20年ぐらい前で、今後20年間住み続けるとすれば、居住期間は40年と言うことになりますが、この間家賃を払い続けていたら40年間で7200万円必要になります。
この費用と、私が支払った住宅ローンの総費用と固定資産税をプラスしたものを比べると、幸いなことに、購入費用の方が安い計算になっています。
その意味では資産価値は下がっているものの、自分の家と言う精神的安らぎは得られているのは大きなと思っています。
というわけで、住宅ローン金利が下がった今が買い時と言うことになりますが、上に書いたような資産価値の減少と、自分自身の支払総額、住宅を得るメリット等を総合的に考えて購入を検討した方が良いと思います。
避けなければいけないのは「今こそ買い時」というマスコミの論調に乗せられて衝動買いをしてしまうことだと思います。少なくとも1年ぐらいかけて慎重に検討すべきだと思います。(私は2年ぐらい検討しました)