海外への投資の是非

 日本がダメなら世界があるさ、中国はどうなんだ、という声が聞こえてきそうです。事実ここ数年のマネー雑誌では、中国投資や東南アジアといった投資先が注目を集めている、という記事がわんさか出ています。

 さらにマスコミは中国の経済成長率をもてはやし、日本への買いだめツアーを紹介したりして、中国に投資をすれば、どんどん儲かるようなイメージを作り上げています。

 そうやってイメージを作り上げ、「そうかあ、それなら退職金の一部を使って中国投資でも始めるか」と思った頃、中国では徐々に経済成長率のかげりが見えてきました。

 つまり、「中国が儲かる」というようなキャッチフレーズがマネー雑誌に踊るころは、すでに経済は頭打ちに近づき、それに連れて相場も上がらない状況になり始めていると私は判断しています。

 そこで中国だけにとらわれるのではなくインドやタイ、ベトナム、マレーシアといった辺りも考慮したらどうかと考えてみました。

 しかし、日本の企業に勤めていて、こういった東南アジアの国に長期間出かけてその国の実態を感じているならともかく、何も知らない状態で、マネー雑誌に書かれていることを鵜呑みにして大金を投資するということは私には出来ません。

 そうやって優柔不断でぐずぐずしている間に運用の機会を逃す、と言われてしまいそうですが、訳も分からないものに投資して、万が一予想よりも資産が減少したら、老後の生活に直接響いてきます。

 従って、年金以外の生活費となる貯蓄を、そんな簡単に投資には回せません。ただ時間的な余裕はあるので、一発勝負ではなく、積み立て投資は有効ではないかと思っています。

 さらに海外の銘柄を扱う投資信託を避ける理由をもう一つ。それは、その国の細かい事情について知らないと言うだけでなく、今後の為替の動きがまったく予想できないという不安です。

 つまり海外の銘柄を中心とした投資信託を買うと、当然ながらその手数料も若干高く設定されているうえに為替の動きによって利益が翻弄されるという怖さを感じます。

 そこで中国はともかくとして、今はドルに対して円高だから、アメリカの銘柄関係の投資信託はどうだろうかと考えたこともあります。

 当然円高ですから、数年前より安く買える気がしますが、買った瞬間にさらに円高になってしまったら、利益はすぐに吹っ飛びます。その上手数料もとられたのでは、たまりません。

 というわけで、やはり買うなら日本の投資信託、それも手数料が出来るだけ安いもので、長い目で楽しめるものという風に、消去法で考えるようになっています。

 ちなみにタイへは、観光でですが過去4回ほど出かけていて、様々な政情不安があるものの、その成長の勢いは、昔の日本のバブル期を彷彿とさせるものがありますので、こういった国に投資できる機会があれば、多少は考えてもいいな、とは思っています。 



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