退職者専用の定期預金

 退職金をもらって、「おっ、これは有利だな」と思った貯蓄が一つだけありました。それは退職金専用の定期預金。銀行によって異なりますが、退職金をもらった年度しか利用できません。それも300万円以上とか、少しばかり庶民にとっては大金です。

 今現在の通常の都市銀行の定期預金金利は0.03%前後です。この信じられないような定期金利の利息にも税金がついて、実際の利息額は0.024%。1000万円を貯金しても、1年かけて2400円の利息です。

 退職金専用の定期預金を利用すると、表面上の税金を抜いた利率は1%前後です。ただし期間は3ヶ月ぐらいで、それ以後は通常の定期預金金利になります。

 また1%といっても、これは年率1%ですので、3ヶ月ならその4分の1しか利息は付きません。つまり1000万円を貯金すると、1年間預けられれば10万円前後の利息が付くわけですが、3ヶ月ですので2万5千円前後になるわけです。

 それでも前述の1年で2400円に較べると、3ヶ月でほぼ10倍の利息が付くわけですから、退職者にとっては有利な貯金であることに間違いありません。

 一方銀行にとっては、金利的には一時期損するけれども、その後定期預金が継続されれば、新しい口座を開拓できたというメリットになるようです。

 というわけで、退職金の目処がついた頃から、どの銀行に貯金をしようか、ちょっとだけリッチな気分になってパンフレットをもらいに行ったり、ネットで利率を調べたりしました。

 私の家から半径2km以内に銀行は5つ以上あると思います。その銀行をリストアップし、さらにそれぞれの銀行について、預金利率、優遇利率の期間、受付日、預金金額の基準等を一覧表にしました。

 結局その中から二つの銀行をピックアップ。いずれも以前から利用履歴がある銀行でした。一つは職場の給料振り込みで使っていた銀行、もう一つが、一時期外貨預金をやってみようと考え口座登録をしていた銀行です。

 退職金は当然給料振り込みで使っていた銀行に全額一括で振り込まれました。それはそれでいいのですが、もう一つの銀行に定期預金をするためには、そのお金をその銀行に移さなくてはいけません。

 現金を持って移動するのは大変だし不安も感じますので、当然振り込みになるのですが、これが結構大変でした。手数料も結構取られたように記憶しています。

 自分の金を移すだけなのに、なぜ馬鹿高い手数料を払わなくてはいけないのかという気にもなりましたが、移動させないことには高い金利が享受できないのでやむを得ません。

 結果ですが、それぞれの銀行で3ヶ月後ぐらいに数万円の利息が付きました。 「やったあ〜」と思いましたが、その後は自動継続扱いとなり、金利は通常の定期預金と同じですから、1年間預けてようやく数千円。厳しいです。

 しかしものは考えよう。物価はデフレで下がっているみたいですから、相対的に現金の価値は上がっているはずです。

 つまり表面上利息は付かないけれど、現状でおいておけば、このままデフレが進むと例えば1000万円で買えたものがいずれ900万円で買える時代が来るかもしれないと言うことです。


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