株式投資とのなれそめ

初めての株式投資
 
 投資信託についてはその後実際に購入し運用していましたが、このところの株価低迷の煽りで、ほとんど将来性がないことを自分自身で納得しましたので、今は投資を中止しています。

 代わって、現役時代から行っている株式投資です。最初に買ったマネー雑誌は「日経マネー」ではなかったかと思います。 今から20年ぐらい前になるかもしれません。

 「日経マネー」を買ってしばらくして、今度は「マネージャパン」という雑誌を購入。日経マネーの方が、記事が少し固いように感じ、マネージャパンの方が素人にも分かりやすい書き方をしているなというのが最初の印象でした。

 で読んでいくと、株価のぺージには、様々な銘柄が紹介されていて、有望株、上昇可能性大、チャートを見れば一目瞭然、業績急回復、新開発の・・・が業績に貢献、というような、うれしい文字が並んでいます。

 簡単に言えば、掲載されている銘柄はすべて上がる、という予想の元に記事が書かれているわけですが、当然始めて株を買おうと思った初心者は、そこに書かれていることの大部分を素直に信じます。

 なるほど、これはたしかに業績が良くなっているなとか、この新製品は素晴らしそうだとかチャートが上り調子だとか、いちいち納得できてしまいます。

 しかしではすぐに買ったかというと、さすがに当時はまだミニ株という制度がなかったので、まとまったお金が必要で、そのお金の捻出と、もし下がってしまったらという恐怖感が、これぞと思う銘柄が見つかっても、実際の購入に待ったをかけていました。

 一方、時はバブル全盛。何を買っても儲かりそうだ、という雰囲気がありました。コンピューターの発達も激しく、株フォーラムなるものが多数乱立し、徐々に「ここで買わねば一生後悔する」みたいな雰囲気が出来上がっていました。


証券会社へ

 チャートを見て上がりそうだと予測し、業績の変化を見て上昇基調にあると考え(当時はほとんどの銘柄がチャートも株価も上昇基調)、雑誌の推薦文を読んで、あれはどうかこれはどうかと考え、これを買えば数年後は資産倍増、なんて今から考えればとんでもないバラ色の夢を追いかけていましたが、まあ考えるだけなら実害はありません。

 しかしず〜っと考えていればいつかは買いたくなるものです。ボーナスが出て、その使い道は貯金ぐらいだなと思えたある日、私は電車に乗って証券会社を訪ねました。

 我が家から電車で数十分の中堅都市にある支店でしたが、銀行と違って入りにくい雰囲気があります。中には相場師と思われるおじさんが、株価ボードをにらみながら売り買いをしているのかなという、かなり昔のイメージです。

 しかし店の前でうろうろしていると、なんだか余計に変だと思い、勇気を出して、30代の若造が、ドキドキしながら数十万円のお金を握りしめて、入り口に向かいます。

 いよいよこれから相場デビューだという高揚感と、自分みたいな若造がという卑下する気持ちと、こんな少額の資金で大丈夫かという不安とが入り交じった気持ちです。

 左側がカウンターで右側に株価のボードがあり、赤や緑のランプが「ようこそ、いらっしゃいました」というように瞬いています。

 しばしそのボードを眺め、なるほど今日はこの銘柄の株価が上がったか、自分が買おうと持っている銘柄はどうかな、なんて考えながらボードを観察。

 しかし銘柄を所持しているわけでもないので、3分もすれば飽きてしまいます。恐る恐るカウンターに向かいます。

 カウンターで待っていたのは、拍子抜けするほど若いお姉さん。まあカウンターに相場師が座っているわけではないと思いますが、株式購入と相場師の売った買ったというイメージが密接に結びついていました。


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