退職者専用定期預金

退職前のボーナス、退職金の運用(2014.12.16)

 来年3月に退職を予定されている方は、この12月が最後のボーナス。そして退職時期に退職金を受け取ります。

 私が最後のボーナスをもらったときは、これでまとまったお金を受け取れるのは最後かと思い、結構感慨深いものがありました。ただし今となってはそのときのお金をどのように利用したのか、さっぱり記憶がありません。

 たぶん、少しでも住宅ローンの残債を減らそうと繰上げ返済を行ったのではないかと思われます。一方退職金ですが、貯金通帳に通常とは違う桁のお金が振り込まれ、ちょっとドキドキしたのを覚えています。

 この大きなお金をどうするのか?

 退職前に考えていたことは、、住宅ローンを完済すること、息子の学費への利用、57歳で早期退職をしましたので、その後60歳になるまでの家計費への補填(60歳から一部の年金が支給)、自己年金、定期預金、その後に予想される車の買い替え費用や住宅のリフォーム費用(屋根や外壁塗装)さらに翌年度の税金や保険料への対応というような分け方をしたと思います。

 実際そうやって分けていくと、最初は一杯あったと思われる退職金も100万単位で使い道が決まってしまい、結局退職金を利用して、なにか特別に豪華なことをした、ということはまったくありませんでした。

 当然ながら、退職金をもらって投資活動ということも考えましたが、すぐに準備もなく初めても、マスコミや証券会社の、マネー雑誌の雰囲気に踊らされるだけだと思い、当時選んだのは退職者専用の定期貯金

 銀行側は、ある程度まとまったお金が貯金され、また口座数獲得にもつながりますので、この定期預金には力を入れているようです。

 一方、預ける側としては、100万から500万、人によっては1000万という単位のお金を預けることになり、数ヶ月から1年間だけですが若干有利な利率が適用されます。

 ただし銀行側が提示する利率にはカラクリがあって、例えば2%という、いまどき信じられないような利率が提示されますが、小さな数字を良く見ると、期間が書かれていて、だいたい三ヶ月か六ヶ月というものが多いようです。

 つまり2%という利率であっても、適用期間が三ヶ月なら実際には年率はその4分の1の0.5%ぐらいということです。従って1000万の預金をしても、最初の三ヶ月で1000×0.005=5万ということになり、確かに最初の三ヶ月で5万円増えますが、(実際には税金が引かれます)、その後は通常の0.02%というような小さな数字に変わります。

 また銀行によっては投資信託と組み合わせると定期預金の利率が高くなるよう設定されていますが、これも投資信託の販売手数料等や、さらにその投資信託の下落する可能性もあることを考えると、無闇に手を出さないことをお勧めします。

 というわけで、私は息子の学費相当分を、この定期預金を利用して数万の利息を確保しましたが、その後の利率の低さに呆れ果て、このブログにも少し書きましたが、ネット銀行への預金に少しずつ切り替えて移しています。

 さらに60歳になり、まずまずシミュレーション通りに家計が進んでいるように思えたので、今年から再び株式投資を小額だけですが始めています。

 
 退職金の運用は、どうしても支出しなければならないお金を差し引いていくと、最後は「何だこんなものしか残らないのか」とがっくりすることもありますが、その額にあわせて人生設計をする必要があります。


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