弱者切捨て社会が進行中?

高齢者の二極化が進んでいる?(2015.2.17)

 今日の毎日新聞朝刊の記事〔「旅行 健康「高齢者市場」〕という見出しが出ています。シリーズもので、今回が第3部の中となっていますが、私自身関心を持っている内容が書かれていることが多いので注視しています。

 今日は新聞広告でもよく見かける「クラブツーリズム」の海外旅行説明会への参加者の話が先ず書かれています。私もこの会社が主催するツアーを新聞紙上等でよく見かけるので、関心があります。

 ただ以前は夫婦二人でいくらという設定のツアーが多く、私には関係ない会社だな、やはり一人者は個人手配でがんばるしかないと思っていました。

 ところが数日前の広告では、お一人様歓迎日という設定があり、若干割増料金にはなっていたものの、「おっこれなら利用できるかも」と思うようになっていました。

 でそんな折の今日の記事です。海外旅行に行くのに説明会があるというのも親切ですが、よく考えるとこういった説明会の開催費用もツアー代金に含まれているはずで、その意味では割高かもと思えないわけではありません。

 しかし記事を読むと、そんな世知辛いことを考える必要のない高齢者層が、こういったツアーに参加しているという現状があるようです。

 記事に書かれている参加者の収入の部分を見ると、年金以外に家賃収入が月20万とか、年金以外にパート収入で月8〜9万と書かれていて、年金収入とあわせると、月30万ぐらいになるようです。

 しかも住宅ローンの支払いが終了し、子育ても終わっていれば、手持ちの資金は基本的に自分のために有効活用できます。またそう考える高齢者も増えているようです。
 
 私自身もこういった生活を夢見て今も少しずつ努力しているわけですが、一方で、「老後は老齢年金があるからぎりぎり何とかなるだろう」と考えていた高齢者の方の中には、月6万円の年金収入だけが頼り、という方もいるようで、今回の消費増税はこういった方への負担が増大したといえそうです。

 しかもこういった方に限って持ち家もなく、家賃を払わざるを得ないという場合も多く、結局同じ高齢者でも、ある程度余裕がある層と、それこそ毎日10円、20円という額を節約して生活している層もあるということで、二極化が激しくなっているといえそうです。
 
 当然ながら好きで低所得になっている人はいないと思われますので、なんとかできないかと考えますが、妙案は浮かびません。

 このところ安倍政権は、企業が儲かれば賃上げが実現すると宣伝しています。しかし、こういった低所得の高齢者に対する視線は非常に冷たい気がします。

 つまり企業のサラリーマン層ばかり見ていて、いまや労働力として価値がない?低所得の高齢者層は見向きもされないという事態に陥っているのではないかということで、弱者切捨て社会が生まれつつあるという不安を感じます。
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