インフレターゲット1%

年金生活者への影響(2012.2.19)

 天皇陛下の手術が無事終了したようで良かったなと思っています。しかしまあ手術の方法を聞いていると、つくづく凄いことをやるもんだなと思います。

 さてテレビでは手術のこともさることながら、インフレターゲット1%について解説が行われていました。正直なところ、そんな簡単に物価が上がるもんかと思っていますが、もし上がり始めたら「一番影響を受けるのは給料上昇が望めない年金生活者だ」というコメントを聞いて、「おっこれはきちんと知っておかないとまずいかも」という気になりました。

 どうも経済は専門とかけ離れているのでよく分かりません。そこで「インフレターゲット」と入力して、ウィキペディアで概略を調べてみました。書かれていることは私のイメージ通りで、要するに物価の上昇率を意図的に定めるということです。

 一方、このところガソリン価格等は値上がりしていますが、確かに衣料品や一部ファーストフードの1食あたりの単価は10年ぐらい前に較べると安くなったかもというイメージはあります。

 そこで平成11年からの物価の総合指数というのを総務省のページで見てみました。するとプラスになった年はH18年が0.3%、H20年が1.4%で、他はすべてマイナスです。しかもこのプラスは食料品を除いてもこの値ですから、要するに原油価格の値上がりに影響されていると言うことで、我々が日常的に購入する物価は下がり続けていると言うことになります。

 そこでH11を100として、その指数をかけ算していくといくらになるか、手元の電卓で計算してみました。すると結果は・・・95.948です。つまりこの10年ぐらいで物価は平均で4%下落したと言うことですね。

 原油の値上げを除くと、この下落幅はさらに大きくなるはずですから、実際には7〜8%下がっているように思います。相対的に100円の価値は7〜8%上がったと言うことで、利息が付かなくても貯金をしておけばお金の価値が上がったと言うことになります。

 一方今後10年間で1%ずつ物価が上昇すると、100円のものは10年後に単純計算で110円ぐらいになっているように思えますが、実際には複利で上がっていきますので、130円を越します。

 年金生活者の場合は10万円の価値が今と較べると8万円弱の価値しかないと言うことになります。

 しかも消費増税や電気料金値上げもあり得ますので、この値はさらに悪化。私の将来計画も、たった1%というインフレターゲットに振り回されるかもしれないなと思うようになりました。


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